2011 Fiscal Year Annual Research Report
業績評価制度設計の意思決定支援のためのシステム方法論の研究
Project/Area Number |
21310097
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
高橋 真吾 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20216724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 絵理 早稲田大学, 商学部, 教授 (20277700)
後藤 裕介 早稲田大学, ソフトウェア情報学部, 専任講師 (40454037)
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Keywords | 社会シミュレーション / 業績評価制度 / 不確実性 / ランドスケープ分析 / エージェントベースモデル / シナリオ分析 / 意思決定支援 |
Research Abstract |
組織メンバに対する業績評価制度に基づいて,組織メンバが態度を学習して組織行動は変化し,業績評価制度がもたらす効果には様々な要因の不確実性が影響しているため,組織目標を達成する業績評価指標構成の理解は十分でない。本研究では,メンバ特性に関する要因の不確実性に注目して,不確実性が与える影響の有無および特徴的な影響が現れるメンバ特性構造とそのメカニズムについて,エージェントベースモデルを用いた社会シミュレーションで検討した。そのために,各業績評価制度効果に対して不確実性が与える影響を一望できる「可能性のランドスケープ」を用いた分析手法を提案した。業績評価制度を利用したマネジメントが多く採り入れられている営業組織を想定した意思決定ケースにこの分析手法を適用した。その結果,多くの業績評価制度ではメンバ特性に関する不確実性が与える影響が存在することがわかった。また,高い有効性を示した業績評価制度における特徴的な結果の原因分析を行って,特定のメンバ特性構造が影響を及ぼすメカニズムを明らかにした。 本研究で開発した方法論は,社会シミュレーションにより組織の内外に存在する不確実性要因をシナリオにより構造化し,代替的制度評価の視座を与えるものである。 また,モデルでは完全には表現できない本質的な不確実性に焦点をあてて,現場のマネージャへの受容を促進するための参加型の方法論の開発を試み,エージェントベースモデルから不確実性を取り入れたゲーミングモデルを試行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
業績評価制度の設計支援のためのミドルレンジモデルを構築し,複数の状況シナリオと施策シナリオについてのシミュレーション結果を可能性のランドスケープによるシナリオ分析の手法を開発した。シナリオ分析の結果に基づいて実際の組織での支援を行うために,モデル内の不確実性を考慮したシミュレーション結果の妥当性評価のための方法論のゲーミング方法論による試作を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度から始めた現場の関与者への受容と不確実性を取り入れた参加型の方法論を洗練させる予定である。
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Research Products
(5 results)