2009 Fiscal Year Annual Research Report
メタン取扱施設における安全管理のための簡便メタンモニタリング手法の開発
Project/Area Number |
21310101
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
谷川 昇 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 准教授 (80343010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古市 徹 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90127134)
石井 一英 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70292050)
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Keywords | メタン / モニタリング / 安全管理 / バイオガス化 / 温泉 |
Research Abstract |
(1)30の食品廃棄物のバイオガス化施設に対してアンケート調査を実施し、メタン漏洩に対する安全管理の現状を把握した。調査結果から、施設はメタン漏洩事故発生を強くは意識してないと推定された。また、メタン漏洩事故時のマニュアルの存在、メタン漏洩常時モニタリングの必要性および現行のメタン漏洩に備えた常時モニタリング方法の改善の必要性に対する「ある」の回答が、それぞれ約40%、約30%、約10%と低く、万が一の事故に備えたメタンの安全管理が十分になされているとは言えなかった。 (2)メタン取り扱い施設におけるメタン漏洩早期検知のためのモニタリング手法として、報告者らが提案したオープンパス型メタン計測器と反射板によって一定空間の平均メタン濃度を計測する方法(谷川昇ら:ハンディタイプオープンパス型計測器による大気環境中メタン計測手法の廃棄物最終処分場への適用、廃棄物学会論文誌、第17巻,第5号,pp.305-312(2006))を用いた。生ごみバイオガス化施設、家畜ふん尿バイオガス化施設および温泉利用施設において、提案モニタリング手法によって、屋外(約2ppm)よりも僅かに高いメタン濃度でも検出でき、爆発などの危険性には問題にならないレベルでの極微量のメタンの漏れの存在がモニタリング可能であることを示した。具体的には、生ごみバイオガス化施設のバイオガスを燃料としている発電機が設置された部屋やメタン発酵廃液の水処理施設室内では、メタン濃度が数ppmと屋外より高くなっていた。また、温泉利用施設の温泉貯留室内では、地下からポンプによって汲み上げた温泉水中のメタンの漏洩に伴う100ppm前後の高いメタン濃度が間欠的に計測されていた。 (3)温泉利用施設において、環境省の「温泉利用施設におけるメタン測定マニュアル」に示された可燃性ガス検知器と提案モニタリング手法の比較計測を行い、提案モニタリング手法は可燃性ガス検知器にはできない微量のメタン漏洩を検知できることを検証した。
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