2010 Fiscal Year Annual Research Report
予防安全支援のための創発型認知シミュレーションの開発とその適用手法に関する研究
Project/Area Number |
21310103
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
狩川 大輔 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40436100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 信 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00243098)
青山 久枝 独立行政法人 電子航法研究所, 航空交通管理領域, 主任研究員 (40392790)
古田 一雄 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50199436)
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Keywords | ヒューマンファクタ / 認知モデリング / 予防安全 / 航空管制 |
Research Abstract |
今年度の目標は、(1)管制官の認知プロセスと動的な周辺環境やチームとの間の認知的な相互作用を記述した認知的相互作用影響モデルの認知シミュレータへの実装、(2)その妥当性評価である。(1)に関しては、認知的相互作用影響モデルについてさらなる精緻化を進めると共に、その実装方法について検討を行った。その結果をもとに、マルチエージェント・シミュレーションを応用した認知モデリング手法を用いて、管制官の認知プロセスモデルであるCOMPAS(COgnitive system Model for simulating Prediction-based behaviors of Air traffic controller in dynamic Situations)をPC上に構築した。COMPASは、実装されている認知モデルにより、多様な航空交通状況における管制処理タスクを自動的に認識し、管制卓のレーダー画面を模したディスプレイ上や時系列グラフとして可視化することが可能である。COMPASを用いることにより、調整席管制官とレーダー対空席管制官の適切なチーム協調によって管制業務のワークロードが低減される様子を可視化・分析可能になるものと考えられる。(2)に関しては、刻々と状況が変化する航空交通流シナリオを対象として、COMAPSを用いた管制処理タスクの抽出実験を行った。COMPASによるタスク抽出結果と実際の管制官による抽出結果を比較したところ、十分な精度で一致する結果を得られ、COMPASに実装されている認知モデルの基本的妥当性が確認された。また、COMAPSは管制指示の内容や発出タイミングの違いに起因する管制処理タスクの処理効率の差異を可視化することに成功しており、管制官養成訓練のさらなる洗練化・効率化に向けた応用可能性を有するものと期待される。
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Research Products
(6 results)