2011 Fiscal Year Annual Research Report
日米の大学における事故・インシデント事例の比較検討
Project/Area Number |
21310104
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
刈間 理介 東京大学, 環境安全研究センター, 准教授 (50281308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 靖司 東京大学, 環境安全本部, 教授 (00301094)
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Keywords | 大学 / 研究教育 / 事故 / インシデント / 日米 / 比較検討 / 発生寄与要因 / クラスター分析 |
Research Abstract |
米国のYale大学とIowa州立大学の環境安全衛生管理室と日本の東京大学の環境安全本部に報告された教育・研究に関連する事故・インシデントについて、その事故・インシデントを種類別に分けたうえで、米国・日本のそれぞれで5名のスタッフが「注意不足」・「知識不足」・「危険認知不足」・「焦り」・「違反行為」・「管理・監督上の問題」・「作業環境上の問題」・「施設整備上の問題」等の22の発生寄与要因の寄与度を「決定的に関与」4点、「強く関与」3点、「ある程度関与」2点、「わずかに関与」1点、「関与せず」0点の5段階で得点配分し、5名が配分した得点の平均値から主成分分析を行い、主成分分析に基づきクラスター分析およびクラスター群の判別分析を行い、日米の大学における教育・研究に関連する事故・インシデントとその発生寄与要因の共通点と相違点について検討した。なお、当初は学生と教職員に分け検討する予定であったが、米国の2大学での学生の事故・インシデント報告取集数が少なく、今回は教職員(短時間雇用者・有給研究員を含むに絞り比較検討した。結果として教職員の事故・インシデントの種別では「転倒・転落」が日米の3大学で伴に最も多く、発生寄与要因としては「注意不足」・「危険認知不足」・「施設整備上の問題」が強く関係していた。一方、東京大学では「転倒・転落」に次いで「化学物質関連事故・インシデント」が多かったが、Yale大学とIowa州立大学では「針刺し」、「ガラス創傷」の順であり、「化学物質関連事故・インシデント」はYale大学で4番目、Iowa州立大学で6番目であり、日米で対照的であった。「化学物質関連事故・インシデント」の発生寄与要因としては「知識不足」・「危険認知不足」・「作業環境上の問題」が強く関与しており、日米の大学における研究環境の整備や安全教育の充実度の差が結果に影響を与えた可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)