Research Abstract |
1. 事業場訪問による意見交換及びPSMの現状把握: 中災防,日化協,化成品工業協会等の業界団体の訪問,化学プロセス関連の協議会等との懇談,及び情報交換を行った.またいくつかの企業を訪問し,見学と情報交換を行うことで,事業場における安全管理の取り組みの現状を把握するとともに,問題点と課題を整理した. 2. 労働災害防止と結びつけたPSM業務のチェックリスト整理: 化学工学会安全部会「プロセス安全管理のフレームワーク構築WG」との協働により,PSMの業務プロセスモデル及びPSMのフレームワークを完成させるとともに,PSM業務の具体例(チェックリスト)を整理した.さらにプラントライフサイクルにわたる変更の業務プロセスをモデル上で確認することで,モデルの有効性を確認している.これらの成果は化学工学テクニカルレポート(No.42)としてまとめ,化学工学会より発行している.また,新たに発足した同部会の「変更管理のあり方WG」に参加し,変更を起因とする事故事例調査,大手企業の変更管理の現状把握,変更の定義についての議論を行うとともに,変更管理の業務プロセスモデルの構築などに着手している. 3. PSM活動支援システムの開発: (1) PSM情報の管理・活用;設計,運転,保全の個々の業務プロセスモデルが出揃ったので,これらの統合環境についての議論を開始し,運転と保全の業務モデルの統合を行った.一方,運転管理業務モデルについては企業における業務改善の検討及び品質トラブルに関する根本原因解析に用いた事例が報告されている. (2) 事故事例情報の活用(従来の成果の発展);過去の事故事例やその対応方法に関する情報を基に,何が問題だったのか,どのような対処方法が同様の災害を防ぐのに効果的であるかを同定できる仕組みを検討し,支援システムの仕様設計を行った.また事故事例データベース検索の機能についても提案している.
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