2009 Fiscal Year Annual Research Report
人工衛星SAR画像と光学センサ画像を用いた自然災害の早期把握
Project/Area Number |
21310119
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山崎 文雄 Chiba University, 大学院・工学研究科, 教授 (50220322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 昌志 産業総合技術研究所, 主任研究員 (80242311)
丸山 喜久 千葉大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70397024)
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Keywords | リモートセンシング / 合成開ロレーダー / 被害把握 / 斜面崩壊 / 建物被害 / 後方散乱強度 |
Research Abstract |
本研究は,高解像度光学センサ衛星とマイクロ波を用いる合成開ロレーダー(SAR)の強みを組み合わせた,被災地域の抽出手法を開発することを目的としている.具体的には,災害前には衛星光学センサ画像,衛星SAR画像,更には数値標高データ(DEM)が得られているものとし,災害後に衛星SAR画像が得られた場合,これらを全て用いて被災範囲と程度を抽出する方法を提案する.事前の土地被覆分類や標高データも合わせて利用することにより,マイクロ波の後方散乱強度の変化だけからでは分からない地表の災害後の状況を,精度よく推定することが可能になると期待される.本年度は,ALOS/PALSAR画像を用いた2008年中国・四川地震と2008年岩手・宮城内陸地震による地盤災害把握を行うとともに,TerraSAR-X画像を用いた2009年イタリア・ラクイラ地震による建物被害把握などを実施した.前者では,地震前後のSAR強度画像の比較により,斜面崩壊,堰止め湖,道路閉塞などの地盤災害分布を把握した.また,光学センサによる災害前の土地被覆分類と災害前の数値標高モデル(DEM)を用いて,SAR強度画像の変化と災害発生状況の定量的な関係づけを行った.建物被害に関しても,倒壊などの大被害は,地震前後のSAR強度画像において変化が見られることを確認することができた.しかし,高分解能のSAR画像では,位置合わせが難しいこと,またスペックルノイズ低減のためには適切な空間フィルターが必要なことなどが分かった.
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