2010 Fiscal Year Annual Research Report
重要ライフラインの相互依存関係を考慮した災害発生時の復旧過程解析手法に関する研究
Project/Area Number |
21310122
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Research Institution | Kajima Technical Research Institute, Kajima Corporation |
Principal Investigator |
永田 茂 鹿島建設株式会社技術研究所, 都市防災・風環境グループ, 上席研究員 (50217999)
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Keywords | 減災 / 自然災害 / 地震 / 防災 / ライフライン / 復旧 / 相互依存 |
Research Abstract |
(1) 重要ライフラインの相互依存性を考慮した機能復旧過程の解析手法に関する研究 ライフラインの重要な構成要素である地中埋設管の面的延長データは、保安上の問題やライフライン事業者の施設データ整備の遅れなどから研究目的での入手が困難であり、このことがライフライン研究の進展のひとつの支障となってきた。このため、平成21年度に実施した重要ライフラインに関する広範な調査で入手した詳細な上下水道・都市ガスの地中埋設管データを活用することにより、地中埋設管の総延長データ、国勢調査、事業所統計調査などの公開データを用いて500m~1kmメッシュ単位で面的延長データを作成するモデル式を構築し、学会で公表した。 前年度に実施した地震災害による重要ライフラインの機能的被害波及構造とその時間的・面的な広がり方の調査結果を踏まえて、地震災害による電力・上水道・下水道の機能支障の相互依存関係を考慮した機能復旧特性に関する分析と解析手法の構築を行った。この手法では上下水道の応急復旧に大きな影響を与える地中埋設管を250m~1kmメッシュでモデル化し、上下水道の地中埋設管の被害状況と実態調査から得られた機能支障の相互依存性を考慮した面的応急復旧過程の解析手法(コンピュータプログラム)を構築した。これらの研究の一部は平成22年度に学協会等で公表したほか、利用を希望するライフライン事業者にコンピュータプログラムの提供を進めている。 (2) 過去の地震災害の再現解析に基づく提案手法の妥当性の検討 機能復旧過程の解析手法の妥当性を検討するため、2004年新潟県中越地震、2007年新潟県中越沖地震における上下水道の被害状況、復旧状況の数値地図データを作成し、数値地図データと上記(1)で構築した機能復旧過程の解析結果の比較検討を行うことにより、その妥当性の検討に着手した。 上記(1)および(2)の研究項目に関する研究成果に関しては、国内外の学協会等に4編の研究成果を公表した。
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Research Products
(4 results)