2011 Fiscal Year Annual Research Report
重要ライフラインの相互依存関係を考慮した災害発生時の復旧過程解析手法
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21310122
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Research Institution | 鹿島建設株式会社技術研究所 |
Principal Investigator |
永田 茂 鹿島建設株式会社 技術研究所, 都市防災・風環境グループ, 上席研究員 (50217999)
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Keywords | 減災 / 自然災害 / 地震 / 防災 / ライフライン / 復旧 / 相互依存 / 東日本大震災 |
Research Abstract |
(1)2011年3月11日東日本大震災における複数ライフラインの被害及び復旧過程に関する現地調査・データ収集とその分析 2011年3月11日に発生した東日本大震災における東北地域及び北関東地域のライフラインの面的被害と復旧過程に関して現地調査及びデータ収集を実施した。これらの調査活動で得られた電力、上下水道、鉄道のデータを用いて被害と復旧過程に関する分析を行い、著者らがこれまでに提案した計測震度等を指標とする被害予測式及び機能支障期間予測式の妥当性を定量的に確認した。これらの、調査・分析の結果の一部は国内研究論文に取りまとめて公表した。複数ライフラインの復旧過程の相互依存階に関する分析は今後実施し、成果を論文等で公表する。 (2)大規模地震災害に対する重要ライフラインの脆弱性評価 平成22年度までに構築した上下水道の面的被害及び復旧過程解析手法とそのコンピュータシステムに東日本大震災の現地調査・分析で得られた知見を組み込むとともに、近い将来に発生可能性が高いとされる首都直下地震(東京湾北部地震)を対象として、電力、上下水道の相互依存性を考慮した機能復旧過程の事例解析を実施した。事例解析では上下水道の埋設管路情報が必要になるが、県や市町村が個別に管理しているこれらの情報を入手することには多くの困難を伴うことから、詳細道路、国勢調査、事業所統計調査、地形などの公開情報を用いてメッシュごとの管路敷設の有無と管路延長を推定するモデルを新たに構築した。事例解析では、上下水道の復旧過程の違いから、下水道の機能支障に伴って上水道で発生する機能支障範囲や期間など、首都圏の上下水道システムの抱える問題点の抽出方法を具体的に示すことにより、今後の災害・事故等に対する被害軽減支援への適用可能性を示した。
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Research Products
(10 results)