2010 Fiscal Year Annual Research Report
超好熱菌の環境応答における遺伝子発現制御の機構解明
Project/Area Number |
21310124
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
福居 俊昭 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 准教授 (80271542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 保 京都大学, 大学院・工学研究科, 講師 (10346083)
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Keywords | 超好熱菌 / 始原菌 / アーキア / 遺伝子破壊 / 環境適応 / 発現制御 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
90℃以上で生育可能な超好熱菌は小さなゲノムにもかかわらず外的環境の変化に自律的に適応できる生物であり、その極限環境の変化に応答する機構は興味深い。本研究では超好熱始原菌Thermococcus kodakarensisの環境適応における遺伝子発現制御やシグナル伝達に着目し、その機構解明を目的とした。 前年度に作製したNikRホモログ(TK1439)の遺伝子破壊株を用いてマイクロアレイ解析を行った結果、本破壊株において2種類のABCトランスポーター遺伝子群の転写量増加が観察され、これらトランスポーターが本菌におけるNi輸送に関与することが強く示唆された。またDNA結合型転写調節因子Phrにより制御される熱ショック応答レギュロンを同定した。 本菌のキチン代謝遺伝子クラスターの発現においては、機能未知タンパク質であるTK1763およびTK1762がDNA結合因子非依存型の発現制御に関わることを見いだしている。本年度では自律複製ベクターを用いた欠損相補を継続し、TK1763とTK1762の両方が発現抑制に必要であることを明らかにした。またマイクロアレイ解析により、tk1762-tk1763過剰発現株において転写量が顕著に増加した機能未知遺伝子のクラスターを同定した。 一方、外的環境の変化に応答したシグナル伝達として本菌におけるタンパク質リン酸化/脱リン酸化に着目した。本菌ゲノムに見出された推定プロテインキナーゼ(TK0679,TK0801,TK2250)について、遺伝子破壊株のプロテオーム解析の手法確立および組換え型酵素の調整を行った。 また酸素耐性に機能すると推定されたNADHオキシダーゼホモログの1つTK1481は予想とは逆に酸素感受性に関わっていることを見いだした。しかしながら、培地中溶存酸素の有無によってtk1481の発現には変化がなかった。
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