2011 Fiscal Year Annual Research Report
超好熱菌の環境適応における遺伝子発現制御の機構解明
Project/Area Number |
21310124
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
福居 俊昭 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 准教授 (80271542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 保 京都大学, 大学院・工学研究科, 講師 (10346083)
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Keywords | 超好熱菌 / 始原菌 / アーキア / 遺伝子破壊 / 環境適応 / 発現制御 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
90℃以上で生育可能な超好熱菌は小さなゲノムにもかかわらず外的環境の変化に自律的に適応できる生物であり、その極限環境の変化に応答する機構は興味深い。本研究では超好熱始原菌Thermococcus kodakarensisの環境適応における遺伝子発現制御やシグナル伝達ネットワーク等に着目し、その機構解明を目的とした。 DNA結合型転写調節因子であるArsRファミリーはT.kodakarensisの推定転写調節因子において最も多く存在する。この中から、4つの推定転写調節因子(TK1041,TK1261,TK1883,TK2190)を選択し、これらの遺伝子破壊株作製とマイクロアレイ解析を行った。その結果、TK1O41が自身の転写を抑制すること、TK1261が金属イオン含有タンパク質をコードする遺伝子群の転写を抑制すること、およびTK1883とTK2190が共に鞭毛に関わる遺伝子群の転写を抑制することが判明した。 本菌のキチン代謝遺伝子クラスターの発現においては、機能未知タンパク質であるTK1763およびTK1762がDNA結合因子非依存型の発現制御に関わることを見いだしている。本年度ではTK1763およびTK1762が複合体を形成することを免疫沈降およびネイティブPAGEによって示した。 環境変化に応答したシグナル伝達であるタンパク質リン酸化/脱リン酸化への関わりが推定される3つのプロテインキナーゼについて組換え型酵素を用いた解析を行い、すべての酵素が高温でカゼインリン酸化活性を示すことを確認した。TKO679に関しては、自己リン酸化とみられるバンドも観察された。また二次元電気泳動によるプロテオーム解析を行い、推定プロテインキナーゼ遺伝子破壊株で細胞内存在量が変動したタンパク質を多数同定した。
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Research Products
(2 results)