2010 Fiscal Year Annual Research Report
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21310126
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
豊田 敦 国立遺伝学研究所, 生物遺伝資源情報総合センター, 特任准教授 (10267495)
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Keywords | 個人ゲノム / 多様性 |
Research Abstract |
本研究では、ヒトにおける遺伝的多様性(個人差)を明らかにするための基盤技術開発を目的として、次世代シークエンサー(ソレクサ)によるヒトゲノムの再シークエンスを実施している。これまでに、Bリンパ球株化細胞(GM130B)からセルソーターにより染色体特異的に単離したヒト21番染色体とY染色体由来のゲノムDNAを用いてペアエンドシークエンスを実施した。現在、アセンブリの結果からそれぞれの染色体に存在すると推測される新規ゲノム配列をもつGM130B由来のBAC/fosmidクローンの単離、配列決定および公共データベースとの比較解析を進めている。なお、使用した染色体特異的ゲノムDNAは、どちらも全リードの約半分程度が目的とする染色体にマップされ、残りのリードは新規ゲノム配列、他の染色体および株化する際に使用されたEBウイルス由来であった。今年度は、シークエンサーの処理能力の増大および低コスト化が進んだことなどから、HapMap計画で使用された細胞株を用いて全ゲノムを対象に配列決定を試みた。ヒト標準配列にマップした結果、全ゲノムの約97.5%をカバーしており、リードの重複度は平均29.3であった。次に、一塩基多型(SNVs)を調べたところ、約324万カ所が見いだされ、そのうちの約90%がSNPデータベース(db129)と一致していた。また、エクソン領域上には約26,000カ所存在しており、その約半分が非同義置換に関与していた。興味深いことにCDS領域上に終始コドンが存在する約90個の転写産物も検出しており、現在検証を進めている。今後、遺伝子コピー数多型および比較的大きな挿入・欠失などの構造多型の検出法について検討する予定である。また、同細胞株のゲノム配列決定はSOLiDでも実施しており、機種間およびプログラム間の違いなども併せて検討していく予定である。
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