2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21310127
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大矢 禎一 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (20183767)
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Keywords | 細胞壁 / 出芽酵母 / 細胞周期 / HOG / MAP kinase / シグナル伝達 / 紡錘体 / M期 |
Research Abstract |
出芽酵母の表現型プロファイリングに関する基盤研究の中で、今年度は特に細胞の形態変化を引き起こす化学物質のスクリーニングとその細胞標的を推定することが必要と考え、高次元細胞形態情報に基づいて生理活性物質の細胞標的を推定する新しい手法を開発した。具体的には生理活性物質によって引き起こされる野生型出芽酵母細胞の形態変化の特徴と遺伝子欠損によって引起こされる形態的特徴の類似性の比較(プロファイリング)によって、生理活性物質の細胞標的を推定した。まず、主成分分析を適用することで501の細胞形態パラメータから104主成分(寄与率99%)を抽出し、酵母変異株の形態的特徴を表す104種類の数値を4718株すべてについて得た。次に細胞標的を推定したい生理活性物質を、野生型酵母に5段階の異なる濃度で5回ずつ(計25回)処理し、高次元の形態情報を取得した。そして最後に、先に求めた変異株の特徴を表す104の主成分得点と生理活性物質処理による濃度依存的変化の特徴を表す104の主成分得点の相関係数Rを4718株すべてについて算出した。これらの相関係数で、false discovery rate(FDR)が0.01の無相関検定を行い、有意な正の相関を持つ変異株を形態変化が類似した変異株、すなわち細胞標的の候補として検出した。標的が既に知られている4つの薬剤を生理活性物質のテストケースとして使用したところ、実際に標的を予想することができたので、高次元細胞形態情報プロファイリングによって、形態変化を引き起こす生理活性物質の細胞標的が推定可能であることが示された。
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Research Products
(14 results)