2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21310129
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石濱 泰 京都大学, 薬学研究科, 教授 (30439244)
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Keywords | キナーゼ / リン酸化プロテオミクス / インタラクトーム |
Research Abstract |
本研究の目的である「in vivoキナーゼ・基質ペア予測」のため、高効率な定量的リン酸化プロテオミクス計測法の確立を行った。定量用化学的タグ法をリン酸化プロテオミクス用に改良し、リン酸化プロテオミクス自身を高性能化することに成功した。またLC-MS測定システムを最適化し、従来法と比べ約80倍感度を上昇させることにより、1万細胞(タンパク質1マイクログラム相当)からのリン酸化プロテオミクスを可能にした。本システムを用いて、385種のリコンビナントキナーゼに対するHeLa細胞抽出物を試料としたin vitroキナーゼ反応計測を行い、さらに計算科学的解析を行った。その結果、175,574個のキナーゼ-基質ペアを同定し、303種のキナーゼに対する、のべ1,525種のリン酸化モチーフを抽出することに成功した。これは既知モチーフ数の約10倍に相当するものであり、世界最大規模の情報を獲得できた。これらの情報をもとにして、リン酸化プロテオミクス測定結果から、細胞内における変動パスウェイを予測するための2種類のツールを開発した。EGF刺激したPanc-1細胞における測定結果を用いて検証したところ、(1)1525種のモチーフとタンパク質相互作用マップを用いる方法、および(2)in vitro基質から責任キナーゼを推定する方法で、EGFRパスウェイの活性化およびEGFRパスウェイキナーゼの活性化を予測することに成功した。結論として、本研究の目的である「in vitro kinase-基質情報からプロテオーム規模でキナーゼ-基質ペアを予測すること」を達成することができた。本研究で得られた情報はすべてin-houseで開発した解析ツールであるPhosPepAnalyzerおよびそのデータベースであるPhosPepDBに登録済みである。
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Research Products
(44 results)