2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21310135
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中山 亨 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (80268523)
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Keywords | オーロン / フラボノイド / 代謝複合体 / タンパク質間相互作用 / BAHDファミリー / シトクロムP450 / カルコン合成酵素 / カルコンイソメラーゼ |
Research Abstract |
キンギョソウ花弁細胞中でのフラボノイド生合成酵素間の相互作用をさまざまな角度から詳細に解析するための第1歩として,フラボノイド生合成における基幹的役割を果たすカルコン合成酵素(CHS),カルコンイソメラーゼ(CHI),カルコン4'グルコシルトランスフェラーゼ(C4'GT)およびオーロン合成酵素について,その小胞体局在性を解析した.キンギョソウ花弁の細胞破砕液からミクロソーム画分と可溶性画分を調製し,ウエスタンブロッティングにて各画分における酵素の存在を解析し,CHS,CHI,C4'GTは両画分に存在するが,ASは可溶性(液胞)にのみ存在することがわかった.また,代謝酵素複合体の基軸となると考えられる酵素(フラボン合成酵素,FNS;フラボノイド3'-水酸化酵素,F3'H;p-クマロイルCoA3-水酸化酵素,C3H)の遺伝子を取得した.これらのなかで,C3Hは花弁特異的に発現し,オーロンの生合成に関わる代謝複合体形成に重要であると考えられる.また,オーロン前駆体であるカフェオイルCOAの生合成に必須であると考えられるヒドロキシシンナモイルトランスフェラーゼ(HCT)cDNAをキンギョソウ花弁から単離した.HCTはC3Hとともにオーロン生合成に特化した代謝複合体を形成するものと推定される.同酵素遺伝子を大腸菌の菌体内に異種発現させ,形質転換体の細胞抽出液を調製して酵素活性を高速液体クロマトグラフィーによって評価したところ,細胞抽出液中にHCT活性を認めることができた.以上のようにして本年度は,キンギョソウ花弁細胞中でのフラボノイド生合成における代謝複合体形成に関わると予想される酵素遺伝子のラインナップを達成することができた.
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Research Products
(5 results)