2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21310135
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中山 亨 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80268523)
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Keywords | キンギョソウ / 酵素間相互作用 / 花色発現 / 二次代謝 / フラボノイド / オーロン / アントシアニン / メタボロン |
Research Abstract |
HCTについて,キンギョソウ花弁のESTデータベースからタバコのHCTと配列類似性の高いESTを検索した.このEST配列をプローブにして黄色キンギョソウ花弁のcDNAライブラリーからプラークハイブリダイゼーションにより2種類の候補遺伝子を取得した.これらを発現ベクターに連結して大腸菌の菌体内に大量発現させた.AmHCT1について速度論パラメータを求めた.p-coumaroyl-CoAアシル基供与体としたときの両方向の反応の速度論量を比較したところ,この酵素はシキミ酸をより良好なアシル基受容体として利用することがわかった.一方,C3HについてはゴマのCYP98A20 cDNAをプローブにして黄色キンギョソウ花弁のcDNAライブラリーからプラークハイブリダイゼーションにより8種類の候補遺伝子を取得した.これらをメタノール酵母のゲノムに組み込んでメタノール添加により誘導発現させた.ミクロソーム画分を調製して酵素活性を調べたところ,ひとつ(AmC3H)に酵素活性が認められ,p-クマロイルシキミ酸を基質とした場合にNADPH依存的に反応生成物を与え,この分子量はカフェオイルシキミ酸のものと一致した.活性が確認できたHCTとC3H遺伝子について,キンギョソウの組織別発現を調べた.その結果,両遺伝子は花弁の分化の初期から発現し,分化とともに漸減するが,完全に開花した花で最大となった.また根・茎・葉にも発現が認められた.一般にこれらの遺伝子は,これまで多くの植物においてリグニン生合成との関連で発現解析がなされ,茎や根での発現が高く,花弁での発現はほとんど検出されない場合がほとんどである.キンギョソウではこれらの遺伝子が花弁でも有意に発現しており,リグニン生合成とPHC合成の両方に寄与している可能性も示唆されたが,花色発現への寄与に関し,今後さらに別の証拠を探す必要がある.
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Research Products
(4 results)