2009 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質機能ポケットへの二波長光反応性蛍光トランスファー技術の開発
Project/Area Number |
21310138
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
友廣 岳則 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部(薬学), 准教授 (70357581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑中 保丸 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(薬学), 教授 (30111181)
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Keywords | 光クロスリンク / ジアジリン / 蛍光ラベル / 生体分子相互作用解析 / 光シスートランス異性化 |
Research Abstract |
生体分子の蛍光可視化は相互作用解析に重要な技術であるが、その相互作用部位に直接蛍光ラベル化する技術は少ない。本提案は光アフィニティークロスリンクを基盤技術として、二段階の光照射によりリガンド分子から結合タンパク質の結合部位へ蛍光基をトランスファーすることでリガンド分子結合等を評価する手法の確立を目的とする。初年度では本技術開発の基盤化合物である桂皮酸型光反応性ユニットについて、ジメトキシフェニルジアジリン化合物からアミノ基指向性誘導体に誘導することに成功した。さらに、以下の3つの生体分子相互作用系に適応したリガンドに導入して光反応性プローブ合成を進めた。1)ATP結合によるリン酸化や構造変化は細胞内シグナルのドライビングフォースとなるため、その結合解析や核酸受容体のプロテオミクス的解析を行うことは重要である。リン酸化阻害剤であるγS-ATPに光反応ユニットを導入することで光反応性ATP誘導体作製に成功した。2)DNA損傷に関わるタンパク質複合体解析を目的とする。光反応ユニットをDNA損傷剤である白金化合物に導入し、それが結合したDNAプローブを作成した。本系では、光シスートランス異性化によるクマリン形成、さらに照射波長や反応温度を制御することで2つの光反応(ジアジリンによる光クロスリンク反応と光シスートランス異性化を経由したクマリン形成反応)を区別することが可能であることを見出した。3)タンパク質間相互作用系の結合評価を目指す。上記アミン指向性誘導体を用いてリゾチーム表面に存在するリシン残基に導入し、光反応性リゾチームを作製した。相互作用分子としてリゾチーム抗体を用いて光クロスリンクを検討したところ、軽鎖へのクロスリンクを確認した。
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