2011 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質機能ポケットへの二波長光反応性蛍光トランスファー技術の開発
Project/Area Number |
21310138
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
友廣 岳則 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(薬学), 准教授 (70357581)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑中 保丸 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(薬学), 教授 (30111181)
|
Keywords | 光クロスリンク / ジアジリン / 蛍光ラベル / 生体分子相互作用解析 / 光シス-トランス異性化 |
Research Abstract |
本課題は相互作用タンパク質の機能部位に蛍光ラベルを光照射のみで構築する技術開発であり、相互作用解析への応用等を目的とする。まず結合タンパク質を光捕捉し、さらに二段階目の光照射でクロスリンクした基質分子を解離させつつ相互作用部位に蛍光基クマリンを形成させる、独自のアフィニティーラベル法である。これまでに光反応性ユニットを導入したATP、DNA、タンパク質プローブを作成し、各結合タンパク質への蛍光ラベルを行った。最終年度では本ラベル法の汎用性を評価し、結合解析法への展開を行った。1)置換基を変えた光反応性ユニットを導入したATPプローブでは、反応時間の短縮など総合的なラベル効率が大幅に向上した。このプローブを用いてATP加水分解酵素やプロテインキナーゼ、分子モータータンパク質複合体の特異的蛍光ラベル化に成功し、多様なATP結合タンパク質への本手法の汎用性を実証した。2)光反応性白金錯体を導入したDNAプローブでクロスリンクしたHMGB(高速移動群)タンパク質を、ビオチン-アビジン系を利用して担体に選択的に捕捉することで蛍光化HMGBの精製を行った。二段階目の光照射では、HMGBのクマリンラベル化と同時に、精製担体から選択的に、かつ簡便・温和に切断し溶出させることができた。さらに、単離した蛍光化HMGBの損傷DNAへの結合活性を、FRET(蛍光共鳴エネルギー移動)法により評価することに成功した。3)光反応性リゾチームを用いて細胞表面に発現したリゾチーム抗体を蛍光ラベルし、相互作用タンパク質間での蛍光基移植、および細胞レベルで手法論の汎用性を示した。以上、他に類を見ない相互作用部位への光化学的蛍光トランスファー技術を確立し、その汎用性を実証し、さらに蛍光ラベル化タンパク質を使った結合解析法を構築した。
|