2010 Fiscal Year Annual Research Report
スクアリン酸含有アミノ酸のペプチドへの自在導入法の開発と新規ペプチドの機能
Project/Area Number |
21310145
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
品田 哲郎 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30271513)
|
Keywords | スクアリン酸 / ペプチド / アミノ酸 / 固相合成 |
Research Abstract |
ペプチドは生命の維持機能を支える生体分子である。ペプチドを構成している天然アミノ酸のかわりに、人工的なアミノ酸アナログを導入できれば、ペプチドの機能を探ることや、従来にない機能を持ったペプチドの創出が可能になる。本研究では、我々が独自に開発したスクアリン酸含有アミノ酸(ASQ)を固相合成法により、自在にペプチドに組み込む方法の開発から、新しいペプチドアナログを創出することを目指している。前年度までに固相合成(Fmoc法)に適用可能なASQ類の合成と固相担持を試みた。Fmoc-ASQ類を合成して固相担時を試みたが分解物を得るのみであった。この点を解決するため、あらかじめASQのN末に1残基ペプチドを伸長したジペプチドユニットFmocNH-Phe-(SQ-Gly)-OPrを新たな縮合前駆体に設定・合成した。その脱Fmoc化を試みた結果、分解を伴うことなく脱Fmoc化できた。固相上へのジペプチドユニットの連結はNH_2-Phe-Wong-レジンにジペプチドユニットを2回繰り返し作用させることにより、80%以上の収率で担持できた。この成果をもとに、ペプチドライブラリー構築を実施した。H_2N-Phe-レジンに対し、3つの異なるFmocアミノ酸の混合物(FmocNH-Phe-OH, FmocNH-Tyr-OH, FmocNH-His-OH)の縮合を3回、ジペプチドユニットの縮合を1回行う操作をランダム化することで、81種類の分子多様性を持つライブラリーを構築できた。MALDI-TOF/MS解析を行うことで精製物にASQを含有していることが確認できた。
|