2011 Fiscal Year Annual Research Report
文理融合に基づく淡水生態系の生物多様性保全・管理手法の開発
Project/Area Number |
21310151
|
Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
高村 典子 独立行政法人国立環境研究所, 生物・生態系環境研究センター, センター長 (80132843)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 潮 新潟大学, 超域研究機構, 准教授 (00391136)
柘植 隆宏 甲南大学, 経済学部, 准教授 (70363778)
|
Keywords | ため池 / 外来種駆除 / 在来種保全 / 環境経済評価 / 生物多様性 / 選好 / 支払意志額 / 保全意識 |
Research Abstract |
ため池の生態系サービスの価値を経済的に評価するため、アンケート調査を実施した。調査は2012年1月に実施し、一般市民845名、農業従事者429、計1274名から回答を得た。 評価手法は仮想評価法(CVM)を用いた。農業の衰退や都市化により、ため池の数が減少し、適切な管理が行われないため池が増えたりすることで、10年後に全国のほとんどのため池で生態系サービスが大幅に低下し、絶滅危惧種や希少種の大半が姿を消す状況を回答者に想像してもらった上で、そのような状況を回避するためにの負担額を尋ねた。負担の形態としては、ため池保全に取り組むNPOやボランティア支援のための寄付(金銭的負担)に加え、ボランティアへの参加(労働の提供)を用いた。 ため池の生態系サービスの価値評価を、個人属性、環境意識、ため池との関わりなどから分析した結果、一般市民については、自宅から徒歩圏内にため池がある人、ため池に行ったことがある人、自然や環境問題に関するテレビ番組をよく見る人、ボランティア・募金・献血などをよくする人は、それぞれそうでない人よりもWTPが高いこと、また、男性よりも女性が、所得が高いほどWTPが高かった。さらに、最初の4項目に加え、植物を育てたり、ペットを飼ったりしている人、ボランティア・募金・献血などをよくする人は、それぞれそうでない人よりもWTWが高いこと、小学生以下の子供の人数が多いほどWTWが高いことが確認された。 農業従事者については、自然や環境問題に関するテレビ番組をよく見る人は、そうでない人よりもWTPが高いこと、また、自宅から徒歩圏内にため池がある人、自然や環境問題に関するテレビ番組をよく見る人、レクリエーション活動をよくする人、植物を育てたり、ペットを飼ったりしている人は、それぞれそうでない人よりもWTWが高いこと、所得が高い人ほどWTWが低いことなどが確認された。
|
Research Products
(14 results)