2012 Fiscal Year Annual Research Report
里湖湖岸域希少植物のユビキタスモニタリング/ジェノタイピングによる生物多様性評価
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21310152
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Research Institution | 滋賀県琵琶湖環境科学研究センター |
Principal Investigator |
金子 有子 滋賀県琵琶湖環境科学研究センター, 総合解析部門, 専門研究員 (90280817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 壮則 北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 教授 (80206755)
瀬戸口 浩彰 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (70206647)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 希少植物 / 保全遺伝学 / 数理モデル / GIS |
Research Abstract |
琵琶湖の湖岸域に分布する絶滅のおそれのあるレッドデータブック掲載植物のうち、二倍体の多年生草本(トウダイグサ科のノウルシ、マメ科のハマエンドウ、カヤツリグサ科のオニナルコスゲ)および低木種(クマツヅラ科のハマゴウ)を対象とし、2007年調査時の生残株の位置・生育面積等の情報を元に、株数または生息面積の増減をセンサスすると共に、各植物種集団の遺伝構造を把握した。 氾濫原植物のノウルシは集団数も株数も微増傾向であった。しかし、氾濫原植物のオニナルコスゲ、海浜植物のハマエンドウとハマゴウについては、残存集団数4-12集団、株数10-30パッチの極小レベルで推移していた。マイクロサテライト解析の結果からはいずれの種も集団内の遺伝的多様性が低く、ジェネット数は株数よりかなり少ないことが示唆された。文献調査も踏まえセンサスの結果から各種の動態特性を把握し、集団の遺伝的多様性を反映した絶滅リスクを考慮し、IUCNレッドリストの基準にもとづいた評価を進めた。 さらに、海浜植物のハマエンドウ、ハマゴウについては海岸集団との比較を行い、STRUCTURE解析や系統解析から、琵琶湖と海岸の集団が遺伝的に分化しており、この2種の琵琶湖集団は海岸から陸封、隔離された系統であることが強く支持された。また、葉緑体DNAハプロタイピングならびにマイクロサテライト解析を行った結果、琵琶湖の集団は海岸に比べて遺伝的多様性が有意に低かった。これら2種の海浜植物は、琵琶湖に祖先集団が移入した際に創始者効果を受けるとともに、遺伝的浮動の効果によって遺伝的多様性が減じるとともに分化が促進されたものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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