2010 Fiscal Year Annual Research Report
北東アジアから東南アジアを結ぶ華人ネットワークについての研究
Project/Area Number |
21310155
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷垣 真理子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (50227211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩出 浩和 城西国際大学, 留学生別科, 准教授 (60235497)
容 應萸 亜細亜大学, 経営学部, 教授 (20230849)
日野 みどり 同志社大学, グローバルコミュニケーション学部, 教授 (00367632)
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Keywords | 華人 / 華南 / ネットワーク / 北東アジア / 東南アジア / サハリン / 香港ディアスポラ |
Research Abstract |
本プロジェクトは北東アジアから東南アジアまでを、華人ネットワークがいかにして結び付けているのか考察する。本プロジェクトは華人ネットワークの研究ではこれまで比較的とりあげられることの少なかった北東アジア、とりわけロシアを視野にいれている。 本年度は、昨年度の成果を基礎に、本プロジェクトならではのユニークな成果が出てきた。函館華僑の研究を進めてきた小川正樹(函館ラサール高)と北洋漁業の研究を進めてきた神長英輔が、本年度はサハリンへの合同調査を実施した。この成果は神長のコンブを題材に、北東アジアにおける華人ネットワークの活動をほりおこした。小川は昨年度に引き続き、黄檗宗の調度品に焦点をあて、函館華僑の日本国内におけるネットワークのダイナミズムを描こうとした。 このほかのプロジェクトメンバーもそれぞれの研究関心にそって、現地調査を実施し研究を進めていった。容と谷垣は広東省関元昌一族についてそれぞれ調査を進めた。塩出と日野は、東南アジアと香港に事例をとりながら、越境者について調査をすすめた。 研究協力者である飯島典子(広島市立大)と和仁廉夫(ジャーナリスト)は移民先で「創出される文化」について調査を進めた。 海外の研究者との交流も積極的に行われた。連携協力者の山本博之(京都大)の尽力で、デニー・ウォン氏(マラヤ大学歴史学科)によるワークショップを開催することができた。さらに、黄紹倫氏(香港大学)と鄭宇碩氏(香港城市大学)、バン・ダイク氏(マカオ大学)を直接に招聘し、意見交換を行い、講演会を開催した。 ただし、2011年3月11日大震災により、バンダイク氏の講演会と飯島の中国出張が中止を余儀なくされた。このほか、業務多忙のため繰り越された〓玉儀氏の来日は、林少陽氏(香港城市大学)に交代して行われ、当初予定されていた研究内容はすべて2012年2月までに遂行された。
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Research Products
(14 results)