2010 Fiscal Year Annual Research Report
トラウマとジェンダーの相互作用:精神病理・逸脱・創造性
Project/Area Number |
21310167
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
宮地 尚子 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (60261054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 弘子 千葉大学, 大学院・専門法務研究科, 教授 (70234995)
坂上 香 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (60368066)
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Keywords | トラウマ / ジェンダー / 性暴力 / PTSD / 逸脱 / 依存症 / DV / 虐待 |
Research Abstract |
トラウマとジェンダーの相互作用を1)精神病理的側面から、2)犯罪行為や逸脱現象の側面から、3)当事者の自助グループやメディア発信・アート表象など文化創造的な側面から明らかにすることを目的に、年間テーマを「男性の性被害:セクシュアリティと男性性の呪縛」として以下の研究活動を行った。 海外研究協力者として男性性被害のケアのパイオニアであうMike Lew氏とThom Harrigan氏を短期招聘し、「男性の性被害:セクシュアリティと男性性の呪縛」の公開ワークショップを東京で、非公開共同研究会を京都で行った。ジェンダーによる発達課題や社会化過程の差が性被害を受けた男性にもたらす影響について分析、討議を行った。 1)では臨床事例に基づき、発達障害と虐待による愛着や解離症状の関連を連携研究者の有田市民病院・紀平省吾氏、京都女子大学・大矢大氏、阪南中央病院・加藤治子氏とともに分析した。また、キャロラインMバイヤリー著『子どもが性被害をうけたとき-お母さんと、支援者のための本-』(明石書店2010年)を翻訳及び解説した。2)では薬物依存女性のトラウマ被害の影響を分析し、論文にまとめた。3)では、坂上を中心に、薬物依存女性の自助グループ・ダルク女性ハウスとの共同プロジェクトとして、ニーズあるコミュニティとの表現プロジェクト「メディア4Youth踊るカメラ」を行い、DVや性暴力などのトラウマ被害者やその子どもたちが自己回復や創造性に向かう流れを実践・分析した。また国際シンポジウム「つながるためのくしかけ〉をいかに作るか?-協働的表現における対話・身体・場をめぐって」に参加協力した。 ・宮地は夏にスウェーデン、ノルウェー、デンマークの性暴力被害対策専門機関を視察し、マルメ大学ロナルド・スターデ氏等、海外研究者との研究交流を行った。 ・後藤、坂上はサンフランシスコの女性受刑者プログラムやDV加害更生プログラムの視察及び資料収集を行った。
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Research Products
(13 results)