2012 Fiscal Year Annual Research Report
トラウマとジェンダーの相互作用:精神病理・逸脱・創造性
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21310167
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
宮地 尚子 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (60261054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 弘子 千葉大学, 大学院専門法務研究科, 教授 (70234995)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | トラウマ / ジェンダー / 性暴力 / PTSD / 逸脱 / 依存症 / DV / 虐待 |
Research Abstract |
トラウマとジェンダーの相互作用を 1.精神病理的側面から、2.犯罪行為や逸脱現象の側面から、3.当事者の自助グループやメディア発信・アート表象など文化創造的な側面から明らかにすることを目的に、年間テーマを「病理化とそれへの対抗:当事者のメディア発信とアート表象 」として以下の研究活動を行った。東日本大震災後のトラウマの蓄積についてもジェンダー視点からの調査研究を行った。 1.では、「専門家による虐待や性的搾取」研究の第一人者をスイスより招聘し、共同研究会を行い、専門職者のバウンダリーの問題、それらのジェンダーにもたらす影響について討議した。また、ハンセン病市民学会全国大会等で講演を行ない、当事者のアートや文芸表象、その発信の持つ力を指摘し、トラウマの病理化や医療化がもつ弊害を考察した。この他、海外研究交流として、ジェンダーとトラウマに関する論集の翻訳事業を進めた。医療現場でのDV被害者への対応についての共同研究を北米の内科医師の研究協力者らと進めた。スペインの「大規模暴力と歴史記憶の国際研究会議」では、「語られないトラウマ:環状島モデルを用いて」と題して講演を行った。 2.では、米国ツーソンとアルバカーキの受刑者更生施設アミティおよび刑務所を視察し、治療共同体での更生プログラムや修復的司法プログラムがもつ自己回復への効果を、従来のものと比較した。特に家族への影響、DVや性暴力の被害/加害などとの関係、世代を超えた影響について分析した。 3.では、薬物依存女性の自助グループのプロジェクトに関わり、当事者によるアート・情報発信の実践や、『生きのびるための犯罪(みち)』(上岡陽江著)等の執筆に協力を行なった。 また、1~3を統合し、トラウマを生物学的・心理的・社会的に捉え、ジェンダーの視点を包括的に取り入れた入門書『トラウマ』を執筆・出版した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)