2010 Fiscal Year Annual Research Report
<文明の衝突>から<文明の対話>ヘー諸宗教間の相互理解の為の哲学的理論構築の試み
Project/Area Number |
21320011
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
八巻 和彦 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (10108003)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢内 義顕 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (90200469)
川添 信介 京都大学, 文学研究科, 教授 (90177692)
松本 耿郎 聖トマス大学, 文学部, 教授 (00159154)
小杉 泰 京都大学, アジアアフリカ地域研究科, 教授 (50170254)
橋川 裕之 静岡県立大学, 国際関係学部, 専任講師 (90468877)
|
Keywords | 宗教 / 文明の衝突 / 寛容 / キリスト教 / イスラーム / 仏教 / ユダヤ教 / 世俗化 |
Research Abstract |
本年度の研究活動の概要は以下の通り。 (1)研究代表者はじめ研究グループのメンバーが、各自において研究を展開した。 (2)4回、早稲田大学を会場にして小さな研究会を開催した。 (3)2010年9月4日に日本宗教学会学術大会(於、東洋大学)で研究メンバーである、矢内義顕、降旗芳彦、橋川裕之、佐藤直子、比留間亮平により「宗教間対話の思想-その歴史と理論-」と題するパネルを組み、各自の研究成果の一端を報告した。参加者は約40名で、有意義な質疑応答があった。2011年度にもパネルは実施予定である。 (4)2011年3月6~8日に早稲田大学を会場として「<文明の衝突>を超える思想」と題する国際コロキウムを開催した。メンバーの全員が参加して、ドイツから招聘した三人、国内から招聘した一人、それにメンバーである八巻和彦と松本耿郎による報告について、熱心に討議して有益な成果をあげた。その一端を紹介すると、宗教の間の理論の相違が相互理解を妨げて深刻な対立を生み出すのか、それとも宗教と密接に関わって発現する文化の相違が相互理解を妨げて深刻な対立を生み出すのかという点について、後者が原因ではないかという点が、招聘講師らとの激しい議論から浮き彫りにされたことである。つまり、キリスト教内のカトリックと米国の福音主義派との相違は「対立」にならないのに、カトリックとイスラームでは、前者間の理論的隔たりと殆ど変わらないにもかかわらず、なぜ「対立」になるのかということが一つの新たな視角である。本コロキウムのURL:http://sizer.main.jp/kolloquim/ (5)研究代表者の勤務する早稲田大学において「現代の諸問題-<文明の衝突>を超える」というオムニバス方式の講義を設置し、研究グループのメンバーが講師陣の中心となった。受講学生数は69名であり、熱心に聴講された。これは2011年度にも実施する。
|
Research Products
(29 results)