2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21320012
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
湯浅 邦弘 大阪大学, 文学研究科, 教授 (30182661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 健二 島根大学, 教育学部, 教授 (10197303)
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Keywords | 中国哲学 / 古文字学 / 上博楚簡 / 清華大学竹簡 / 浙江大学蔵戦国楚簡 |
Research Abstract |
本年度(平成23年度)は、前年度に引き続き『上海博物館蔵戦国楚竹書』の釈読を研究メンバー全員で分担して進めた。具体的には、代表者の湯浅邦弘が『上海博物館蔵戦国楚竹書』第8分冊所収の『顔淵問於孔子』を、分担者の竹田健二が『李頌』を担当した。『顔淵問於孔子』は、これまで知られることのなかった孔子と顔淵との問答で構成される文献で、儒家の政治意識が濃厚に反映されていることが分かった。また、『李頌』は『楚辞』体の文献とされているが、そうした文体の問題とともに内容上の特色として、為政者への訓戒の性格を有することも判明した。 一方、清華大学蔵戦国竹簡についても研究を進め、大きな成果を上げることができた。『清華大学蔵戦竹簡(壹)』として公開された諸文献には、現行本『尚書』や『逸周書』との類似点が多く、この内、『程寤』については湯浅が、また、『耆夜』については竹田が釈読と分析を担当し、それぞれ論文として発表した。戦国楚簡研究のみならず、『尚書』の研究についても大きな影響を与える成果となった。 次に、海外学術交流についても進展が見られた。まず、平成23年9月に、研究グループ全員で上海博物館に赴き、上博楚簡の実物を実見する機会を得た。具体的には、『恒先』(第三分冊)、『曹沫之陳』(第四分冊)、『競建内之』『鮑叔牙与濕朋之諌』(第五分冊)、『鄭子家喪』(第七分冊)、『君人者何必安哉』(第七分冊)であり、これだけ多くの竹簡を直接実見できたのは、日本の研究グループとしては初のことである。文字の詳細や竹簡背面の状況なども分かり、大きな成果が得られた。 また、続いて浙江大学に赴き、同大学が入手した戦国楚簡について曹錦炎教授より説明を受け、研究討論を行った。現時点では図版等は未公開であるが、『春秋左氏伝』「日書」などの文献が収録されており、戦国楚簡研究に大きな影響を与えることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基本計画通りに研究が進展している。また、清華大学竹簡、浙江大学蔵戦国楚簡など、申請時には情報のなかった新出土文献についても研究を進めることができ、総合的には順調な遂行状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
ほぼ基本計画に沿って研究を進めることとしたい。また、研究開始から現在までの業績が多く蓄積されてきているので、できれば研究期間の終了を待たず、現時点での成果を論文集としてまとめて刊行できよう努力したい。また、上記のように、研究開始時期(平成21年度)には情報のなかった新出土文献(清華大学竹簡、浙江大学蔵戦国楚簡、北京大学秦簡・漢簡)の公開も相次いでおり、これらも視野に入れながら、戦国楚簡の研究を総合的に進めたい。
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Research Products
(5 results)