2009 Fiscal Year Annual Research Report
アジア・ディアスポラの転向体験―接触空間と植民地主義
Project/Area Number |
21320022
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
緒形 康 Kobe University, 人文学研究科, 教授 (40194427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嘉指 信雄 神戸大学, 人文学研究料, 教授 (20264921)
田中 康二 神戸大学, 人文学研究料, 准教授 (90269647)
樋口 大祐 神戸大学, 人文学研究料, 准教授 (90324889)
濱田 麻矢 神戸大学, 人文学研究料, 准教授 (90293951)
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Keywords | ディアスポラ / 接触空間 / 植民地主義 / 帝国 / 1930年代 |
Research Abstract |
1930年代帝国日本における転向は、共同研究『転向』が「近代日本社会の構造の総体的な把握に失敗したことから生まれた思考変化」と名付けて以来、多義的な意味が注目されるようになった。それは、台湾、朝鮮、満洲国など植民地広域圏の「親日派」「漢奸」の動きとも密接に関連している。転向体験は、共産革命から伝統日本への回帰として起こると同時に、台湾人と朝鮮人の土着文化からの切断や、満州国に移住した日本・台湾・朝鮮の人々のアイデンティティー危機という形でも起こった。本研究は、帝国日本の国民統合が進むにつれて社会や地域から疎外されたこうした人々をアジア・ディアスポラと名付けた上で、転向体験を国家や社会から地域・個人のレベルへと拡大し、1930年代帝国日本における転向という受難の体験を、狭義の日本人とアジア・ディアスポラの共通体験として検討を加えるものである。 研究初年度である平成21年度は、アジア・ディアスポラ研究を進めるための研究チーム(「言説分析チーム」「口述歴史チーム」「理論動態チーム」)を立ち上げた上で、過去のアジア・ディアスポラに関する研究史を整理し、5月に、小コロキウム「アジア・ディアスポラの転向体験に関する研究史の整理」を開催した。10月には、中国社会科学院文学研究所の2先生をお招きして、近代中国におけるディアスポラ文学の諸相につき、シンポジウムを行った。そうした成果の上に、2010年1月と3月、高雄市、ソウル市においてアジア・ディアスポラに関するオーラル・ヒストリー調査に従事し、1930年代の転向体験に関する新たな歴史事実の発掘を行った。
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Research Products
(5 results)