2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21320027
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
守屋 正彦 筑波大学, 芸術系, 教授 (90272187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 志朗 筑波大学, 芸術系, 教授 (10181356)
井川 義次 筑波大学, 人文社会系, 教授 (50315454)
木村 浩 筑波大学, 芸術系, 准教授 (60241808)
山澤 学 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (60361292)
柴田 良貴 筑波大学, 芸術系, 教授 (90178913)
菅野 智明 筑波大学, 芸術系, 准教授 (90272088)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 中国孔子廟 / 礼拝空間 / 国際会議 / 儒学 / 湯島聖堂 |
Research Abstract |
当該年度は5ヶ年の研究の4年目にあたり、これまでの研究を総括して、国際会議「東アジアにおける儒教美術の展開についての国際会議》の研究成果を刊行し、当該研究へのレヴュー、並びに最終年度における研究上の課題と総括を行った。 研究課題では礼拝空間における儒教美術の表象について、海外視察を行った。台湾の台南における孔子廟に見られる祭祀のあり方を確認した。調査の成果は最終年度に「東アジアにおける礼拝空間に見られる孔子祭祀のあり方」として調査成果を基に報告する予定である。 国内調査では安土城址並びに安土城郭資料館、安土城天主信長の館を調査し、天主6層(最上階)における「孔子図」、「孔門十哲図」について、城郭空間における孔子像の表現について考察した。また、儒教文化の地方的展開については、高遠城址進徳館並びに高遠市歴史博物館を調査し、藩校教育における儒教並びに美術表現の展開について、現存資料から考察した。今年度発行の『東アジアにおける儒教美術の展開についての国際会議』には研究協力者として、中国、韓国、台湾島の研究者を招聘し、研究成果を纏めた。併せて、研究分担者による研究成果報告も掲載した。(筑波大学大学院日本美術史研究室、2013年3月31日発行、総123頁)、さらに近代の儒教美術の展開として『筑波大学付属図書館所蔵明治期女禮式浮世絵調査報告論文集』(2013年3月31日)を刊行した。本書は礼に基づくが、明治期の女性の作法教育を浮世絵としている。この時期の儒教的な側面が窺われるもので、文明開化期の鹿鳴館時代以降の日本的な再評価が確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該研究については当初の予定以上の進捗状況にある。研究の途中において、新たな研究分担者、また研究協力体制が構築され、各地の孔子廟へと調査を展開するとともに、資料調査も博物館のご協力を得て進展した。当初では当該研究組織だけであった研究体制が拡大化の傾向を示すに至り、東アジアの当該研究者と不断に交流が可能となった。また、国際会議の報告書作成をめぐり、さらなる東アジアでの研究協力体制が構築でき、研究拠点として機能するに至ったことは、さらなる東アジアの研究交流へと進展していくものと考える。これまでの4年間では研究成果の報告書を毎年度発行し、東アジアへと視点を移していった。国内での表現との相違は、国際会議を通して東アジア諸国でそれぞれ相違し、現段階で東アジア研究に向けた具体的な指針を得ることができた。このことは本研究が文化の相互比較によって明確化したと言ってよいであろう。 最終年度の総括に向けて、当初以上の研究成果、進捗状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の研究計画として、韓国儒教文化研究視察、韓国における礼拝空間のあり方、我が国と韓国における儒教文化受容の異化、同化について研究を進める。また、国内では地方的展開と新たな儒教美術の受容について、18世紀以降の日本における椅像による孔子像表現について調査を行う。この調査成果を果実として報告書を作成するとともに、最終年度としての研究総括を研究分担者に求め、研究論文集を上梓する計画である。
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Research Products
(9 results)