2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21320029
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
圀府寺 司 大阪大学, 文学研究科, 教授 (50205340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 壽乃 埼玉大学, 教養学部, 教授 (00305814)
加須屋 明子 京都市立芸術大学, 美術学部, 准教授 (10231721)
伊東 信宏 大阪大学, 文学研究科, 教授 (20221773)
片渕 悦久 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (30278147)
西 成彦 立命館大学, 先端総合学術研究科, 教授 (40172621)
池田 祐子 独立行政法人国立美術館京都国立近代美術館, 学芸課, 研究員 (50270492)
三谷 研爾 大阪大学, 文学研究科, 教授 (80200046)
永田 靖 大阪大学, 文学研究科, 教授 (80269969)
黒田 晴之 松山大学, 経済学部, 教授 (80320109)
赤尾 光春 大阪大学, 人間科学研究科, 研究員 (90411694)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ユダヤ / イディッシュ / モダンアート |
Research Abstract |
初年度以来継続してきた研究会(ヘブライ語、イディッシュ語・文化研究会)を継続した。イディッシュ語・文化の研究会は主担当の赤尾光春がオックスフォード大学での在外研究を行なったため、その間中断したが、平成25年度4月より再開する。研究分担者の西成彦を中心にイディッシュ文学研究に関連する研究会も開催した。 各研究者が各自の領域においてその成果を発表している。西成彦は研究の他にも、ショーレム・アレイへムの『牛乳屋テヴィエ』(岩波文庫)、ノーベル賞作家アイザック・バシェヴィス・シンガーの『不浄の血』(河出書房新社)などの翻訳を刊行した。赤尾光春はオックスフォードでの在外研究のほか、シカゴや京都(同志社大学)などでも研究成果を発表してきている。 研究代表者の圀府寺は大阪大学におけるヘブライ語、イディッシュ語の研究会と並行して、「近代美術とユダヤ」(仮題)についての研究を進めてきた。この研究はイディッシュ文化と芸術に関する研究をも基盤としつつ、さらに今後、資本主義社会の美術市場におけるユダヤ人の役割を明確にする必要もあり、集大成となるべき著書の完成にはまだ数年を要する。その準備段階のエスキースとして、また、このテーマに対する研究者、学生、一般読者への啓蒙的メディアとして、新書版の著書を執筆してきた。最終年度(平成25年度)には刊行できる見通しである。同時にベルリンの両大戦間期におけるユダヤ人の芸術文化ーの寄与についての論文を執筆依頼されており、この準備も進めている。また、美術市場については『西洋美術研究』誌で「美術市場」の特集を組みつつ研究をすすめており、できる限り25年度内に刊行の予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各研究者が予定していた研究計画はほぼ遂行されつつあり、基盤となるヘブライ語、イディッシュ語の研究会も着実に進み、軌道に乗ってきた。研究に必要な資料、情報、人脈等も着実に充実してきている。最終年度とその後、近い将来に成果を生み出すための基盤は十分と整ってきている。本プロジェクトは一般受けするような内容のものではないため、シンポジウムのような派手なイベントは行なわず、研究会を行なう場合も小規模で実のあるものにして、着実に基盤、体制を整えていくことを目指してきた。そのような目的は確実に推敲されている。ただ、最終年度にはひとつの区切りとして中規模程度の研究会を行なってもよいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的にはこれまで行なってきた研究会、情報収集、研究者のネットワーク形成を継続する。特に大きな変更の必要はなさそうだが、最終年度でもあり、学会発表、著書、論文刊行などにおいてある一定の成果が見えるようにしたい。
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Research Products
(15 results)