2010 Fiscal Year Annual Research Report
能楽「型付」資料の全国的調査と、技芸伝承におけるその役割についての総合的研究
Project/Area Number |
21320050
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
山中 玲子 法政大学, 能楽研究所, 教授 (60240058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 圭造 法政大学, 能楽研究所, 准教授 (70360253)
伊海 孝充 法政大学, 文学部, 講師 (30409354)
小林 健二 国文学研究資料館, 文学資源研究系, 教授 (70141992)
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Keywords | 能 / 型付 / 所作 / 能楽資料 |
Research Abstract |
1.型付資料の調査と撮影今年度は東北大学付属図書館蔵の宝生流型付群および秋田城介筆型付ほかの演出資料、山口県防府市の毛利博物館蔵の能楽伝書類の調査と撮影をおこなうとともに、能楽研究所般若窟文庫蔵の金春流型付群の調査を進めた。調査・撮影にはRAを同行した。 2.撮影済み資料の分析すでに撮影済みの奈良県天河神社宮司柿坂家文書のうち、型付資料を選び出したうえで整理し、紙焼きを作成。内容の分析を開始した。 3.資料の翻刻・分析のための研究会の開催東北大学付属図書館蔵秋田城介型付を輪読する研究会(RAも参加)を、ほぼ月1回のペースで開催し、翻刻と内容分析を進めた。同型付に特徴的な用語のピックアップや他型付との比較などを継続中である。 4.型付資料収録曲目索引の作成法政大学鴻山文庫蔵型付資料、法政大学能楽研究所般若窟文庫蔵型付資料の調査結果に基づき、曲目索引を作成し『能楽研究』35号に掲載した。索引作成にはRAの協力を得た。 5.古型付資料に基づく実演の収録 記述に省略の多い古型付『宗節仕舞付』から曲舞の部分を抜き出し、能役者にその記述通りに舞ってもらい、記述がない部分をどう解釈しどうつないだか、またその際の基準となる「能を舞うときのきまり」があればそれを聞き取った。復元した舞の実演やその説明はすべてビデオで記録し、検討材料としている。この作業は今後、他の多くの能役者にも協力をお願いし比較検討していく必要があるが、今年度はその第一回の試行である。作業にはRAの協力を得た。
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