2010 Fiscal Year Annual Research Report
江戸時代伊勢商人の文芸活動の研究ー石水博物館(津市)所蔵文献資料を手がかりに
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21320052
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
安田 文吉 南山大学, 人文学部, 教授 (80121474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 徳子 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 教授 (00135279)
山田 和人 同志社大学, 文学部, 教授 (60191300)
冨田 康之 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20217540)
神谷 勝広 同志社大学, 文学部, 教授 (40233952)
飯塚 恵理人 椙山女学園大学, 文化情報学部, 教授 (00232132)
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Keywords | 歌舞伎 / 浄瑠璃 / 機関(からくり) / 謡本 / 俳諧 / 堂上和歌 / 川喜田家 / 長井家 |
Research Abstract |
本年度は、川喜田・長井両家の文献資料約2万点(商業資料を除く)の書誌データを元に、各分担者の研究分野別に注目すべき資料についての詳細調査を引き続き行った。 1, 歌舞伎番付・絵尽・役者絵の写真撮影による資料収集を引き続き行い、番付約1000点と芝居絵を中心とする浮世絵1440点の調査・整理をした。国貞・国芳の芝居絵には稀少なものが含まれること、明治維新後の浮世絵としてはかなり纏まったコレクションであることを確認した。歌舞伎番付8200点、浄瑠璃番付350点、機関番付24点の整理を行い、新出あるいは稀少番付が含まれていることを確認、特に上方での興行実態を明らかにする資料であることが判明した。 2, 謡本・能楽関係も写真による資料収集を引き続き進めた。伝烏丸光広筆謡本(観世流)は実際に稽古に使用された本と思われ、書入は当時の実演の片鱗を伝える貴重な資料であり、また、当時の豪商が美術品ともいうべき写本を実際に稽古用に使用して能楽を嗜んでいた実態が窺われる貴重な資料でもある。 3, 川喜田家は本居宣長や谷川士清と関わりが深く、歴代和歌を嗜んだが、特に川喜田爾然斎は隠居後は京に住み、堂上歌人と親しんだ。似雲著『としなみ草』の草稿を歴史資料中に発見、爾然斎と似雲の文芸交流も明らかになった。俳諧関係では、『洗雲集』など芭蕉が訪れた三井秋風の別墅について伝える資料などの存在を確認した。
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Research Products
(4 results)