2012 Fiscal Year Annual Research Report
他文化=多文化への眼差し-コウルリッジとロマン主義文学における異文化間交渉の位相
Project/Area Number |
21320058
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大石 和欣 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (50348380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和氣 節子 神戸女学院大学, 文学部, 教授 (00248113)
勝山 久里 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (00351362)
園田 暁子 中京大学, 国際教養学部, 准教授 (00434564)
アルヴィ なほ子(宮本なほ子) 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (20313174)
笹川 浩 中央大学, 商学部, 教授 (30235288)
吉川 朗子 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (60316031)
藤井 佳子 奈良女子大学, 文学部, その他 (70379527)
ディヴィッド ヴァリンズ 広島大学, 文学研究科, 教授 (70403623)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | コウルリッジ / ロマン主義 / 異文化間交渉 / オリエント / 旅 / 他文化 / 受容 / 西洋思想 |
Research Abstract |
最終年度の本年は、これまでの研究成果を検討しつつ学会発表をし、論文・研究書として活字化していった。全体としてはコウルリッジの多文化性=他文化性について多面的に照射することになった。大石(代表者)とヴァリンズ(分担者)は、平成23年度に開催した国際学会で発表された論文のうちコウリッジとオリエントの関係についての文化交渉にテーマを絞り、論集を編集した(平成25年度6月刊行)。 また大石は日夏耿之介によるコウルリッジ受容について学会発表をし、勝山(分担者)はコウルリッジと当時の植物学の関係、彼と中国式庭園について論文を公表した。和氣(分担者)はコウルリッジと真言密教の思想的相似性を論文にした。アルヴィ(分担者)は、「老水夫行」へと連結する18世紀末の政府主導で行われた調査探検航海やバンクスの博物学ネットワーク、さらに19世紀以前の西洋人の中国旅行記や滞在記と「クブラ・カーン」の関係も考察した。吉川(分担者)は、ヴィクトリア朝中産階級へのコウルリッジ受容の在り方を、旅行文化という切り口から再吟味し、「ワーズワス的」な自然の中の遊歩という「異文化」がコウルリッジの詩学にどう作用したか再吟味した。笹川(分担者)はコウルリッジの剽窃の問題が含む多文化性について論文をまとめ、園田(分担者)は、コウルリッジのクラリシー(clerisy)論が、エマソンをはじめとする19世紀のアメリカ文学者にどう受容され、独自の学者論の形成に寄与したかについて論考を手掛けた。藤井(分担者)は1799年にロンドンで設立された「宗教冊子協会」の出版物とコウルリッジとの関連性について調査を行った。直原(協力者)は、コウルリッジの動物観をアリストテレス以来の西洋思想史の中に位置づけつつ、彼の生命論とのつながりを明らかにし、山田(協力者)はコウルリッジの『文学的自叙伝』を翻訳し、多文化性について考察した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(17 results)