2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21320067
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高木 裕 Niigata University, 人文社会・教育科学系, 教授 (60116944)
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Keywords | テクスト論 / <声> |
Research Abstract |
基盤研究(B)「声とモデルニテに関する比較総合的研究」のグループが中心となり、基盤研究(C)「<声>とテクストに関する比較総合的研究」(平成19-20年度)の研究成果を踏まえ、2010年3月に、新潟大学人文学部研究叢書『<声>とテクストの射程』(高木裕編著、知泉書館)を刊行した。この著作の中には、共同研究を続けているボルドー第3大学の研究グループ「モデルニテ」の二人の研究者の論文も含まれている。 このボルドー第3大学との5年間の実質的な共同研究の成果をもとに「国際シンポジウム」の実現に向けて打ち合わせ・準備に入り、両グループで検討した結果、2010年3月に国際シンポジウムを開催し、その研究成果を海外において発信することにした。2010年3月15(月),16(火)の両日にわたり、ボルドー第3大学を会場に、国際シンポジウムを開催し、「声とモデルニテ」をテーマとし、近代(モデルニテ)を大きな転換点ととらえ、<声>がテクスト生成に果たす役割がどのように変容し、そのことがまた文学表現にどのような変化をもたらしたかを検証した。基盤研究(B)の研究代表者、連携研究者(3名)及び研究協力者(1名)の5名と、ボルドー第3大学からは、6名の研究者が研究発表を行い、活発な質疑応答があり、問題点が浮き彫りにされた。<声>というテーマが、テクストに近代的な主体を表出する新しい方法として意識されてきたことを検証するとともに、「主体」の問題を含みつつも、はるかにそれを超える大きな問題であり、多元的な領域にかかわるものであることを確認した。今後の研究の方向が定まったと言える。この「声とモデルニテ」というテーマでの国際シンポジウムの開催は、国内外を問わず、あまり例を見ないものであり、画期的なことであり、今後も、刊行物、講演、シンポジウムを通じて、成果を公開して行く予定である。
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Research Products
(10 results)