2011 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀における多様なマイノリティ状況の解明と共生言説の検討
Project/Area Number |
21320069
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田所 光男 名古屋大学, 国際言語文化研究科, 教授 (40179734)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳沢 民雄 名古屋大学, 国際言語文化研究科, 教授 (80220185)
藤井 たぎる 名古屋大学, 国際言語文化研究科, 教授 (00165333)
水戸 博之 名古屋大学, 国際言語文化研究科, 教授 (80262921)
長畑 明利 名古屋大学, 国際言語文化研究科, 教授 (90208041)
鶴巻 泉子 名古屋大学, 国際言語文化研究科, 准教授 (70345841)
|
Keywords | 比較文学 / 思想史 / 政治学 / 社会学 / 言語学 |
Research Abstract |
全体社会の中で特別な差異のために多かれ少なかれ二級構成員とみなされている少数者の状況を<マイノリティ状況>と捉え、20世紀以降の世界の多様な分野におけるマイノリティ状況を解明しつつ、その状況を明示的にあるいは暗黙のうちに規定する多様な共生言説の問題性を検討した。今年度の活動の重点は以下の通りであった。 1.学術講演会の開催:(1)早尾貴紀氏(東京経済大学)を招請して、「世界ヒバク状況を生き抜く-原爆=原発が規定した戦後世界の果てで-」というテーマの下、東日本大震災によって生じた新たなマイノリティ状況に関する講演会を開催した。(2012年7月)(2)ハスエリドン氏(中国、内蒙古大学民族学与社会学学院講師)を招聘して、「都市化過程における牧畜地域の学校教育問題-内モンゴル自治区を例に」及び「中国における生態移民政策及び牧民生活の変遷-バヤンオーラ村を中心に」というテーマで、現代中国の少数民族に関する連続セミナーを開催した。(2012年8月)。 2.シンポジウムの開催:田所光男(研究代表者)が、日本比較文学会中部支部第32回中部大会において、大貫徹氏(名古屋工業大学)、平石典子氏(筑波大学)をパネリストに迎えて、シンポジウム『20世紀のマイノリティ表象を読み解く-エスニシティ・異界・ジェンダー-』を行った。 3.海外調査:鶴巻泉子(研究分担者)が、マイノリティのトランスナショナルな連帯としてのケルトに関する現地調査を、パリおよびブルターニュで行った。特にドゥアルネネで行われる映画祭に着目し、オーガナイザーへの聞き取りと高等社会科学研究院・ブレスト大学での資料収集を中心にした。(2012年2月-3月) 4.研究論文集の刊行:昨年度に行った国際シンポジウム『マイノリティ状況と共生言説II』の発表者の研究論文を中心にして、『比較マイノリティ学』第三号を発行し『比較マイノリティ学』第三号の発行した。(2012年3月)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
講演会の開催、シンポジウムの組織、研究論集の発行を通じて、国内外で貴重な研究ネットワークを築くことができた。また、海外調査でも重要な進展が見られた。
|
Strategy for Future Research Activity |
来年度は本共同研究の最終年度にあたるので、4年間の総括として、フランス・マレーシア・中国から、これまで研究連携を続けてきた研究者4名を招聘し、国内の研究分担者・研究協力者全員とともに、平成25年3月、名古屋大学において、国際シンポジウムを開催する。また、上記国際シンポジウム参加者の論文を中心にして、『比較マイノリティ学』第4号を編集・発行する。
|
Research Products
(12 results)