2011 Fiscal Year Annual Research Report
定量的分析手法を用いた諸言語の音響特徴量相関に基づく普遍的言語リズム研究
Project/Area Number |
21320080
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
ヤーッコラ伊勢井 敏子 中部大学, 人文学部, 教授 (00454364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 啓吉 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (50111472)
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Keywords | 言語リズム / 生成・知覚 / 音響特徴量 / 定量的分析手法 / 日本語 / 英語 / クロアチア語 / フィンランド語 |
Research Abstract |
本研究の目的は,言語系統の異なる日本語,英語,フィンランド語,クロアチア語の4言語を用いて(1)解明されていない言語リズムとタイミングの問題を整理し過去から現在に渡り何が問題かを理論的に提起すること,(2)個別言語および言語間の韻律の音響特徴量を定量的に計算することで,普遍的な言語リズムとタイミングを明らかにするというものである。本年度も個別言語に加え4言語をクロスに研究する論文も収集し文献データを作成する作業と4言語に関する言語リズムの概念を言語のタイミン グとともに整理する作業と整理を続けた。この過程で言語リズムとタイミングはアクセントの実現と関係しているという仮説に基づき,生成・知覚面から実験を行った。英語アクセントについて,2シラブル語の英語L1と日本語L2による生成,日本語L2による聞き取り実験,また,クロアチア語アクセント実現についても4種の音調を持つ2シラブル語の生成分析を行った。結果,英語のアクセント実現は強さもピッチも相関があること,日本語L2は強さもピッチも比較的忠実に英語アクセント制御できるがピッチの下降と音圧が上昇すると逆作用(母語干渉)が出ること,日本語L2は英語の第一強勢と第2強勢の差をあまり認識できないことを明らかにした。クロアチア語についてはこれまで主張されてきた音圧がリズムとあまり関係ないという点について多少の反論材料が見つかった。これらの作業の中で言語リズムやタイミングの産出には呼吸が関係しているという生理面からの視点が欠落していることに気づいた。呼吸は横隔膜の収縮により行われるが発話には同じくこの作用が利用される。そこで,発話時の胸筋・腹筋の動きを呼吸ピックアップで計測実験した。結果,特に英語話者は日本人と比べて胸筋・腹筋が句や文を単位として制御されていることが確認できた。さらに,この制御には十分長いポーズを置くことも明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)