2011 Fiscal Year Annual Research Report
テンス・アスペクト・モダリティの相関について-日本語と韓国語を中心に-
Project/Area Number |
21320082
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
金 善美 天理大学, 国際学部, 准教授 (20411069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田窪 行則 京都大学, 文学研究科, 教授 (10154957)
コ ヨンジン 同志社大学, 言語文化教育研究センター, 教授 (90329954)
千田 俊太郎 熊本大学, 文学部, 准教授 (90464213)
鄭 聖汝 大阪大学, 文学研究科, 講師 (60362638)
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Keywords | 意味論 / フィールドワーク / 韓国語 / 日本語 / 韓国語済州島方言 / 琉球語宮古島方言 |
Research Abstract |
本研究は日韓両言語の対照研究を通じてテンス・アスペクト・モダリティ形式以下TAM形式)の相関を明らかにしようとするものである。日本語標準語、韓国語標準語という、系統は異なるけれど類型論的に近い2つの言語の詳細で、微視的な記述を行い、それによってTAM形式の相関をみると同時に、琉球語宮古島方言(特に池間島方言)、韓国語済州島方言などの現地フィールド調査を通じて、両書語と系統を同じくしながら標準語と非常に離れた書語を比較することで分析の精度を上げ、談話管理理論(動的意味論)、類型論という明示的な理論的枠組みでTAM形式の相関を原理的に説明する試みである。本研究によって蓄積された琉球語宮古島方言、韓国語済州島方言についてはそれぞれTRANSCRIBERやELANの最新バージョンを使用して自然発話データを書き起こし、当該の用例にタグを付けて、検索可能にする。平成23年度は8月と3月に済州島で、12月には宮古島で現地調査を行い、自然談話を収集しタグを付けた。琉疎語宮古島方言データはTRANSCRIBERを使い作業を行った(田窪)。済州島方言データはELANを使い書き起こし(金)、ネイティブチェックをし(コ)、当該の用例にタグを付ける(千田)作業を定期的に行った。また国内外の学会で発表申し込みを行い、研究成果を報告し、フィードバックを受けた。6月にドイツ連邦のゲッチンゲン大学において田窪が研究発表を行い、8月は済州大学で開催された済州語研究会において金とコが研究成果を報告した。また適宜国内外の韓国語、日本語のTAMの研究者を招き、研究に関するアドバイスと評価を受けた。その一例として2012年2月に済州方言の専門家である韓国ソウル大学のチョン・スンチョル教授と韓国大邸大学のウ・チャンヒョン教授を招き、済州方言に関するチュートリアルおよび討論会を行った。以上により、平成23年度の当初に予定されていた実施計画通りに研究が遂行されたと評価できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自然談話を収集し書き起こす作業を定期的に行ってきている。それと同時に理論面における研究を行い、国内外の学会で研究発表を行っている。また適宜国内外の韓国語と日本語のTAMの砥究者を招き、研究に関するアドバイスと評価を受ける、という当初の予定通り、韓国の済州島方言の専門家を招き、意見交換を行っている。よって全体的な達成度は「おおむね順調に進展している」との評価を下すことができる。
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Strategy for Future Research Activity |
引・き続き各方言の自然発話データの処理を行う。平成24年度の9月と12月に済州島と宮古島で追加項目に関する現地調査を行い、例文を録音してもらう。11月には韓国.・日本・アメリカの専門家を招き、国際シンポジウムを開催し、研究成果の発表及び意見交換を行う。シンポジウムで発表される予定の論文を集め、事前に論文集を作る。最後にこれまでのTAMの相関に関する成果、その根拠となるデータを含むタグ付きのデータベースを最終報告書及びWEB上で公開する予定である。
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Research Products
(18 results)