Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳田 安春 筑波大学, 人間総合科学研究科, 教授 (20505036)
吉山 直樹 西部文理大学, 看護学部, 教授 (30092448)
相澤 正夫 国立国語研究所, 時空間変異研究系, 教授 (80167767)
石崎 雅人 東京大学, 情報学環, 教授 (30303340)
宇佐美 まゆみ 東京外国語大学, 総合国際学研究院, 教授 (90255894)
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Research Abstract |
本研究は,ポライトネス理論の応用による医療コミュニケーション適切化の具体策を,社会言語学的調査研究に基づいて検討することを目的とする。 本研究の意義は次め2点である。(1)言語学と医学の連携による学際的な医療コミュニケーション研究を発展させる。(2)公共の福祉に関わる分野の言語問題を問題の現場の科学的調査データに基づいて把握し,専門家と非専門家の間のコミュニケーションに関わる諸問題の軽減策や解決法の検討に役立つ社会言語学を追究することによって,福祉の充実に碑益する学際的研究分野を開拓する。 当該年度は,癌医療や終末期医療などコミュニケーションに配慮と工夫が求められる医療については,ジョブレビュー・ビデオの談話分析と患者医師双方へのフォローアップ・インタビューによって,患者・家族の不安や心配を軽減し,信頼関係ご協力関係を築くのに有効なポライトネス・ストラテジーを明らかにした。また,医師が患者に対して使っているポライトネス・ストラテジー(調和のとれた人間関係を築き維持するために行う,相手に配慮した言語行動)を言語研究者および別の医師が評価した。分析結果および評価に基づいて,医療コミュニケーション適切化,特に,患者・家族の不安や心配を軽減し,患者・医療者間の信頼・協力関係を築くのに有効なポライトネス・ストラテジーを明らかにした。 研究成果を,医学や言語関係の学会,医療機関や研究機関での講演で発表し医療者側,患者側それぞれの立場の意見を聞いて,次の段階の研究に役立てた。また,研究成果を1冊の本にまとめて出版するとともに,『medicina』『治療』などの雑誌に発表した。研究成果の発表まで協力した医学分野の研究協力者は,早野恵子,矢吹清人,三浦純一,西崎祐史,本村和久,齋藤宣彦の6名の専門医である。
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