2011 Fiscal Year Annual Research Report
継承日本語教育に関する文献のデータベース化と専門家養成
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21320096
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
中島 和子 桜美林大学, 言語教育研究所, 特任研究員 (70351161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 倫子 桜美林大学, 言語学系, 教授 (80178665)
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Keywords | 継承語教育 / 母語教育 / 年少者 / 日本語教育 / 外国人児童生徒教育 / バイリンガル教育 / 読書力評価 / 評価ツール |
Research Abstract |
継承語とは親から子へ継承する言語であり、異言語環境で育つ子どもの人間形成に必要不可欠な言語である。特に継承語力は、移動先の現地語習得上また現地語での教科学習の下支えとして重要であるが、継承語は現地語(=学校言語)のプレシャーで伸び悩み、親が母語で話しかけても子どもは現地語で応答するという状況になりがちである。このようなジグザグのコミュニケーションでは親子の意思の疎通が難しく、このため子どもが情緒不安定、学習意欲低下、帰属意識がゆらぐという状況に陥りがちである。 本研究の目的は2つである。継承日本語教育は海外移住が始まって以来100年以上の歴史を持つが、文献が極端に少ない上に未整理のままに放置されている。第1の目的はこれらの継承日本語教育の文献を収集してデータベース化し、現代日本が抱えるマイノリティ児童生徒の教育の一助とすることである。第2は、継承語専門家養成ワークショップを開催、そこで必要とされる継承語力評価ツールを開発することである。繰越金の申請は第二の目的のために行った。 継承語力評価ツールの開発では、本研究の開発チームによる「対話型読書力評価」が反響を呼び、文科省委託学習支援事業「外国人児童生徒のための評価ツールの開発」に企画推進委員として参画することになり、国内のニーズに合わせる必要から科学研究費補助金の繰越を必要とする事態となった。その後、継承語専門家養成ワークショップで何度か試用した上で、本研究の成果物として『対話型読書力評価』を小冊子として発刊することができた。 一方、第1の目的である継承語データベースの構築は、2000点弱の文献(著書・論文・教科書・教材・雑誌・新聞記事・政府刊行物)を含む「編集管理システム」をWeb上で現在稼働中、今後データの補填および誤字・落字修正作業を経て、今夏、母語・継承語・バイリンガル教育の10周年記念大会で公開する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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