2011 Fiscal Year Annual Research Report
言語課題遂行時の脳科学から見た負荷の量と質:テストでは測定できない不均衡
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21320103
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木下 徹 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (90177890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 正利 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (80216308)
成田 克史 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (40128202)
西村 秀人 名古屋大学, 国際開発研究科, 准教授 (90402411)
今井 裕之 兵庫教育大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (80247759)
大石 晴美 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 教授 (50387479)
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Keywords | 外国語 / 認知科学 / 教育 / 脳科学 / 可視化 / 言語習得 |
Research Abstract |
平成23年度前半は、前年度後半で実験を行い収集した、数学課題遂行時における、母語と第二、第三言語の影響に関するデータ、および、英語読解課題の難易度と読解訓練の影響に関するデータの解析にあたった。その結果の一部は2011年8月に中国の北京市で開催された国際応用言語学会で報告した。これと並行して、昨年度までの経験にもとづき、脳波計測において標準的に使用される国際10/20法による頭部ランドマークの応用をはじめとする、近赤外分光装置を中心とした測定装置関連技術の向上につとめた。また、機能的核磁気共鳴法の本研究への補完的使用の可能性を探求するとともに、データ解析のためのソフトについての情報も収集した。 平成23年度後半は、これまで実施してきた、日本語、英語、音楽、数学の、各実験の成果を踏まえて、適宜、実験方法等に修正を施しつつ、各実験の追加データを得、それにより、データセットが、それぞれの課題で、より標準的な統計検定を行うのに耐える程度のサンプル数を確保することも目指した。このうち日英語をそれぞれ目標言語とした、読解、聴解に関する課題については、本学留学生関連部局関係者の協力も得て、日本語、中国語、その他印欧語をそれぞれ母語とする実験参加者を追加的に得ることができた。このうち特に英語については口頭運用能力測定のために開発された比較的新しいテストを用いて、単純な記憶・復唱から要約・意見陳述まで、各種の産出課題遂行時の脳血流データを一部母語話者の分も含めて収集した。また、数学課題についても中国人日本語学習者を対象として補充実験を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
音楽課題については一部実験を実施したが、当初の前提を見直す必要がある結果が示唆されている。また、ドイツ語、中国語課題については、課題作成と被験者確保に関し再検討を要する状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
音楽課題は当初の前提を再検討し追加実験を実施するかを決定する。ドイツ語課題と中国語課題については、被験者確保の見通しを優先して実施規模を縮小もしくは中止し、その分、リソースを、日英語をターゲットとする課題、音楽課題、さらには数学課題に集中する方向で検討し、状況に応じて対応する。
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