2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21320111
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宇山 智彦 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (40281852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋田 茂 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (10175789)
山室 信一 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (10114703)
川島 真 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (90301861)
守川 知子 北海道大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (00431297)
池田 嘉郎 東京理科大学, 理学部, 准教授 (80449420)
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Keywords | 比較史 / 東洋史 / 西洋史 |
Research Abstract |
当該年度も引き続き、比較帝国史の方法論の議論と具体的研究の両面で作業を行った。2010年4月24日の研究会「比較帝国論の方法を考える」では、グループ外からも著名な研究者を招いて、イギリス帝国史研究の蓄積に基づく帝国の階層的構造や脱植民地化に関する論点と、進展著しいロシア帝国史研究から出てきた認識論や越境論の論点を突き合わせ、さらに他の帝国・地域の専門家からのコメントを受けて、比較の方法を議論した。9月27~28日の研究会「比較帝国論の具体的展開」では、帝国の狭間に置かれた近代・戦間期の中欧での地域認識と地域再編構想、ロシアの中央アジア統治、イギリスのインド統治、アメリカによる戦後アジア秩序形成におけるコラボレーターの役割など、多様なテーマで比較の議論を行い、またメンバーが専門とは異なる地域の研究書を読んで書評することを試みた。どちらかといえばアジア地域に重点を置く本プロジェクトで中欧を取り上げたのは初めてであるが、国民国家建設の思想と帝国の複雑な関係を学ぶことができ有益であった。このほか、西アジアの歴史認識に関わる若手研究者の報告会などを開いた。これらの作業を通して、比較帝国史のさまざまな方法と論点をメンバーが学びあうことができた。特に、帝国統治や秩序形成における現地人の協力・非協力という問題の重要性を認識し合えた。 中間成果としてのロシア帝国史に関する英語論文集を編集するなど、研究成果公開の準備も進めた。
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Research Products
(32 results)