2011 Fiscal Year Annual Research Report
オーラルヒストリー調査による連合軍捕虜と日本軍兵士の行動の文化的位置づけの再検討
Project/Area Number |
21320112
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中尾 知代 岡山大学, 大学院・社会文化科学研究科, 准教授 (40207717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 茂起 甲南大学, 文学部, 教授 (00174368)
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Keywords | オーラルヒストリー / 比較文化 / 戦争 / 捕虜 / 記憶 / トラウマ / ポストコロニアル / レジリアンス |
Research Abstract |
(中尾)関連研究に関する発表と掲載論文については下記の通りである。それ以外では、日英交流セミナーを第二次大戦の影響:イギリス人捕虜問題と経済摩擦と題し岡山県岡山市で開催した。2011年7月30日ロンドン経済大学、Dr.Antony Best(LSE)を迎え、コメンテーター・通訳を松本佐保(名古屋市立大学)、ディスカサント・通訳を中尾が行った。2011年10月28日、捕虜の会議で実績のあるジリアン・カー教授等(ケンブリッジ大学)に面会、2011年10月29日にはロンドンにてBCS(ビルマ〓退役軍人会)の会議(理事会)に出席し、会運営に付いての情報交換と参与観察を行った。 (森)戦争における加害被害の問題を、「子どもの戦争体験」「戦争の子ども」を鍵概念として分析し、その成果を学会(European Society for Traumatic Stress Studies)、および甲南大学におけるシンポジウム『戦争を生きた子どもたち』(2011年10月23日)で発表した。また、さらに包括的にまとめて、『〈戦争の子ども〉を考える』(平凡社)として出版した。 (冨田)研究発表以外では、2011年5月22日、国立国会図書館にて「ポンティアナック事件」関係資料調査・収集(私費)。2011年12月より一年間のインドネシア留学を開始し、長期現地滞在による科研課題に関する調査・資料収集(ポンティアナック事件等)を開始。 (松岡)ミャンマーにおける戦争の記憶の問題を旧日本軍側、現地側の双方から把握するため、2011年12月にミャンマー出張を行い、日本から来訪した旧日本軍兵士の慰霊巡拝の参与観察を行うとともに、現地で戦争体験者2名の聞きとり調査を行った。 2011年7月16-17日中尾・冨田・松岡が出席し当該研究についての打合・発表会(大阪大学豊中キャンパス)を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者である中尾知代本人の疾病及び、研究協力者である冨田暁(大阪大学大学院博士課程)及び松岡昌和(一橋大学大学院博士課程)の海外留学によって、基礎資料の調査が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に基礎資料の調査を完遂させ、研究における分析を進めたい。研究成果を包括的に報告する国際シンポジウムの開催を行いたい。ウェブアーカイブの構築も視野に入れている。
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Research Products
(10 results)