2010 Fiscal Year Annual Research Report
ガーンディーにおける生命・生存・スワラージ-非暴力思想の世界史的水脈
Project/Area Number |
21320114
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
長崎 暢子 龍谷大学, 人間・科学・宗教総合研究センター, 研究フェロー (70012979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 隆 大東文化大学, 国際関係学部, 教授 (20187371)
田辺 明生 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (30262215)
石井 一也 香川大学, 法学部, 教授 (70294741)
油井 大三郎 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (50062021)
酒井 啓子 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 教授 (40401442)
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Keywords | 平和 / 暴力 / 非暴力 / インド / 南アジア / ナショナリズム / 紛争解決 / 生存 |
Research Abstract |
本研究の目的は、近年、再評価されつつあるM.K.ガーンディーの非暴力思想と行動について、比較文化・比較地域研究・比較史の視点から考究するものである。とりわけ、ガーンディーの生命の尊重、生存の保全、さらにスワラージ(自治、自律)確保を求める思想・活動に焦点をあて、現地調査、資料収集を行い、実証的研究を行い、また研究成果を公表することにある。本年の研究実績は大略以下のようである。 1. 3回の全体研究会(3月25日東京における第4回研究会は震災のため中止)において、各分担者がそれぞれ研究を報告し、問題意識の共有を図り、また、インド、イギリス、南アフリカなどにおける現地調査の報告によってヒンディー語を含む資料収集の成果をも共有し、研究の進展を図った。 2. 発信に関しては、油井大三郎や酒井啓子、さらに清水耕介の上記の諸論文は英語発信を含めた日本の論壇の一角をリードしている。また石井一也の論文は、インドのGandhi Peace Foundationの機関紙"Gandhi Marg"に掲載されたように、インドのガーンディー研究にも貢献した。田辺明生はアメリカの人類学会において、長崎暢子は、南アフリカのStellenboschの経済史学会において発表し、手ごたえを得た。 3. 資料調査は、イギリス、インド、などにおけるガーンディーに関する資料調査および収集を各人が行った。特筆すべき第一は、これまで殆んど手をつけられていなかった南アフリカにおける史資料収集ができたこと。第二は、インドのワルダーにガーンディーが開いて以来、いまも活動をつづけるにガーンディー修道場(アーシュラム)の人々とのコンタクトに成功したことである。長崎は、修道場に2週間、滞在し、修道者&訪問者たちのインタビュー調査を行った。その結果ガーンディー思想&活動が、現在もインド内外に影響力を持っていることが判明した。修道場を中心としたネットワークの活動調査は、インドの現状理解の上で、今後大きな成果が期待できる。
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