2009 Fiscal Year Annual Research Report
近世東アジアの都城および都城制についての比較史的総合研究
Project/Area Number |
21320130
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
新宮 学 Yamagata University, 人文学部, 教授 (30162481)
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Keywords | 都城 / 都市 / 東アジア / 近世 / 複数都城制 / 皇帝巡幸 |
Research Abstract |
本年度は、6月と1月の2回の研究会と9月の海外調査を中心に共同研究を行った。6月の山形大学での研究会は、2日間にわたって行った。研究代表・連携研究者を含む科研のメンバー9人のうち7名が研究報告し、各自が近年進めている東アジア都城史研究の概要について報告し、相互の理解を深めた。また今後3ヵ年の共同研究の進め方と海外調査の計画について協議した。 1月の研究会は、橋本義則を代表とする基盤研究(B)「東アジア諸国における都城及び都城制の比較を通じてみた日本古代宮都の通時的研究」と合同で山口大学で開催した。第1日目は、中国社会科学院考古研究所の劉振東氏を招いて漢長安城の発掘調査に関する報告を踏まえ、中国古代都城についての認識を深めた。2日目は、中国の複数都城制に関する久保田和男・渡辺健哉・中村篤志・新宮学4名の報告をもとに、検討を加えた結果、中国近世の複数都城制と皇帝巡幸の密接な関係が浮かび上がった。 また9月には、中国都城調査(南京・鳳陽・開封)を実施した。東晋の建康城、宋の開封城、明の中都城、南京城等の都城遺跡を踏査して、都市再開発が急速に進展する中で緊急発掘による考古調査を行っている現地の発掘担当者から直接情報を収集した。北宋開封城から明清北京城へと展開していく中国近世都城史の系譜についての共通理解を深めるとともに、南京大学では新宮・橋本が、河南大学では久保田がそれぞれ研究報告を行い、現地の研究者と交流した。 さらに2月には、中国社会科学院考古研究所の董新林氏による遼代上京城址と祖陵の発掘調査に関する講演会を開催した。
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