2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヨーロッパ中世における社会秩序と貴族の位相に関する比較史的研究
Project/Area Number |
21320141
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
渡辺 節夫 青山学院大学, 文学部, 教授 (70036060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北野 かほる 駒澤大学, 法学部, 教授 (90153105)
河原 温 首都大学東京, 都市教養学部, 教授 (70186120)
甚野 尚志 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (90162825)
土浪 博 関東学院大学, 法学部, 准教授 (20277924)
堀越 宏一 東洋大学, 文学部, 教授 (20255194)
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Keywords | ヨーロッパ中世 / 貴族制 / 権力構造 |
Research Abstract |
本プロジェクトの目的は「貴族諸階層の支配権(支配圏)の形成・発展・衰退の過程を彼らの公的秩序め維持機能に着自して解明すること」にある。この課題は中世的な権力構造全体との関係ぬきにしては解明できない。その意味で、本研究の推進。母体でもある「ヨーロッパ中世史研究会」の「中世における権力構造のヨーロッパ的特質を明らかにする」という本来の目的に沿った形で、貴族諸階層の「統合と調整」機能を地域レヴェルで、より具体的に解明することとなっている。 2010年度は前年度に引き続き、全国学会(歴史学研究会)の大会でのシンポジウムを企画した。そこでは、古代ローマから中世後期までのヨーロッパにおける王権による地域統治、そこにおける貴族層の果たした役割を具体的に検討し、そのヨーロッパ的な特質を明らかにした。多くの参加者を得て活発な質疑・応答がなされ、古代史・イスラーム史との間での視点の共有がなされた。 また、中世の貴族制研究に関しては2010年度は「ヨーロッパ中世史研究会」の例会を場として4度の研究集会を開催し、(1)チェコの貴族と宮廷の関係、(2)フランク王国の分裂以降の諸侯層と王権の関係、(3)貴族のフェーデ(私戦権)の実態、(4)歴史記述における王権・貴族について検討した。 本年度も各分担者において、貴族制に関する研究史、研究動向を踏まえ、具体的なテーマの推進を目指した。前年度に引き続き、各分担者とも欧来の研究書の購入だけでなく、実証的な研究に不可欠な歴史史料の収集も精力的に進めた。ヨーロッパの現地での未刊行史料の収集も積極的に手がけだ。 なお今年度末に、中間総括、最終年度に向けての共同研究の調整のための研究合宿を企画したが、震災のため実行できなかったので2011年度初頭に改めて実行する予定である。
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Research Products
(13 results)