2009 Fiscal Year Annual Research Report
帝国とコモンウェルスの総合的研究―国際秩序形成機能を中心に
Project/Area Number |
21320143
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
山本 正 Osaka University of Economics, 経済学部, 教授 (10200817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 道久 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (20209240)
大津留 厚 神戸大学, 大学院・人文科学研究科, 教授 (10176943)
岩井 淳 静岡大学, 人文学部, 教授 (70201944)
平野 千果子 武蔵大学, 人文学部, 教授 (00319419)
半澤 朝彦 明治学院大学, 国際学部, 准教授 (80360882)
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Keywords | 西欧近現代史 / 帝国 / コモンウェルス / 国際政治経済秩序 |
Research Abstract |
本年度は研究初年度であり、6月と12月に行った研究会において、メンバー各人がこれまでの自己の帝国・コモンウェルス研究の方向と成果を報告し、かつ各人が役割分担に記載されたそれぞれの本共同研究における観点・立場-たとえば、山本はアイルランド史の観点、細川はカナダ史の立場、大津留はハプスブルク帝国研究の立場、岩井は思想的系譜の観点、平野はフランス帝国史の立場、半澤は国際関係論の立場といったように-から、具体的にどのように本共同研究にコミットしていくかを開示することで、本共同研究に向けてのメンバー間での意思の疎通を図った。12月の研究会においては国際秩序形成機能の意味するところについてメンバー間でのコンセンサスを確保すべく、近現代世界の国際秩序(国際政治経済秩序)と帝国・コモンウェルスとの関係(後者の前者の中での位置や機能)という面だけでなく、帝国・コモンウェルスそれ自体がある種の国際秩序であるという面もあるとの問題提起の上で、討議を重ねた。その結果、白人ドミニオンのネットワーク(白人優越の人種主義ネットワークといったネガティヴなものも含めて)の観点、コモンウェルス共通の宗教・言語といった「リベラリズム」の側面、「言語のコモンウェルス」という観点、「反人種主義」、「多文化主義」という国際共通概念とコモンウェルスの関係への着目する必要性や、国際秩序を厳格に(狭く)捉えるのではなく、国際規範に近い緩やかな捉え方をする必要性についても、メンバー間で意思疎通を図った。このような作業を通じて、2年目以降における共同研究の土台を構築するとともに、メンバー各人が個別に研究を進めた。
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Research Products
(18 results)