2011 Fiscal Year Annual Research Report
新潟県卯ノ木泥炭層遺跡の発掘調査による縄文文化形成期の古環境と生業の研究
Project/Area Number |
21320148
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Research Institution | 國學院大學 |
Principal Investigator |
谷口 康浩 國學院大學, 文学部, 教授 (00197526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 邦夫 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (10272527)
百原 新 千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (00250150)
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Keywords | 考古学 / 縄文文化 / 環境変動 / 古生態 / 植生史 |
Research Abstract |
平成23年7・8月、縄文文化形成期の古環境・生業復元のための考古資料・自然科学データを収集するために、新潟県中魚沼郡津南町にある卯ノ木泥炭層遺跡において3回目の発掘調査を実施し、研究組織のメンバーによる現地合同検討会と必要な分析試料採取を行った。また、当該地域におけるテフラ層序と古環境変動を調査するために、津南町菅沼湿原でのポーリング調査を再度実施した。前年度までの発掘の結果、A区・B区・C区周辺の低湿地部分には数層の泥炭層が確認されたものの、主たる研究対象である縄文草創期・早期の遺物包含層がその中に良好な状態で保存されていることは期待できない状況が判明したことを受けて、今年度は該期の遺跡が保存されている可能性が高い微高地(現況杉林)に沿ってF区・G区を設定し、約46m^2を対象に発掘調査を行った。しかし、ここでも主眼とする草創期の泥炭層・遺物包含層を検出することはできず、土壌水洗選別による微細遺物の篩い出しでも土器等の考古遺物はほとんど出土しなかったため、地質・年代測定・古植生の分析試料を採取して現地調査を終了した。平成23年8月から平成24年1月まで、出土考古資料・採取試料について各自の分担する専門的分析・研究を進めた。平成24年2月、研究報告会を國學院大學で開催し、平成23年度の研究成果について考古学・年代学・地質学・古植物学の各専門分野からの6本の研究報告を公開するとともに、3か年の研究を総括する合同討論会を行い、草創期の遺跡立地と行動パターン、晩氷期から後氷期への植生史、縄文人の土地利用、泥炭層調査の方法と課題について議論した。平成24年3月、3か年の研究成果を年度ごとに編集して研究成果報告書として刊行し、研究成果を広く公開するために主要な関係研究機関等に送付した。
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Research Products
(11 results)