2009 Fiscal Year Annual Research Report
在日フィリピン人の労働・女性化・市民権――パブリック人類学と市民社会の可能性
Project/Area Number |
21320162
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鈴木 伸枝 Chiba University, 文学部, 教授 (70412731)
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Keywords | 移住 / マイノリティ / ジェンダー / 労働 / フィリピン人 / 市民権 |
Research Abstract |
21年度の目的は大きく分けて二つあり、1.移住者のおかれた状況についての文献・資料収集と、(2)既知のインフォーマントと接触し、現在在日フィリピン人がおかれた社会経済状況についての知識を刷新すること、またそれと同時に、新たな支援団体・個人との接触することであった。(1)は、本調査に最も有用だと思われるフィリピン(アジア)系アメリカ人関係の資料収集ができ、加えて2月にフィリピン共和国でフィールドワークを行った際に、現地でしか調達が難しい資料を収集した。1.についても、今後協力を求められると思われるフィリピン人支援者・団体の拡大を図った。現在はこうした団体から調査協力が得られるようラポートづくりをしている。また、経済連携協定で来日した介護福祉士候補者で東京で日本語教育を受けたものについては、滞在先を訪問することができ面識ができたので、今後の接触への足がかりとなるよう引き続きコンタクトを続ける予定である。22年度は1の資料を分析しつつ、新たに接触が叶ったフィリピン人コミュニティへの浸透を試みる。 本年度は、数的にはまだ多くはないが、介護者ならびに英語教師を中心にインタビューと一部社会経済生活に関する参与観察を行い、彼女・彼らが抱えている問題を掘り起こすことができた。また、近年上昇している在日フィリピン女性のフィリピンからの連れ子、あるいは2008年の国籍法改正により来日しはじめたフィリピン人同士と、フィリピン人の母と日本人の父から生まれた子ども・若者の動向についても参与観察を行った。来年度以降は、このような接触を進化させる予定である。 これ以外の調査では、10月末から11月初めにかけ、アテネ市で行われた世界各地からの移住者が一堂に会した会議で発表し、意見交換・情報収集を行った。2月にはフィリピン共和国マニラ市とセブ市を訪問し、日本への移住あるいは移住労働を目指す人およびその支援者にインタビューを行った。
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Research Products
(4 results)