2009 Fiscal Year Annual Research Report
薬物依存症者回復のための総合的研究―ドラッグ・コート導入のアクションプラン
Project/Area Number |
21330019
|
Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
石塚 伸一 Ryukoku University, 大学院・法務研究科(法科大学院), 教授 (90201318)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 尚均 龍谷大学, 大学院・法務研究科(法科大学院), 教授 (00274150)
浜井 浩一 龍谷大学, 大学院・法務研究科(法科大学院), 教授 (60373106)
|
Keywords | 刑事政策 / 刑法 / 犯罪学 / 薬物依存 / 処遇評価 |
Research Abstract |
初年度の2009年度は、幅広く情報収集し、モデル・プログラムを構築すること、および、プログラムの担い手を養成するための研修を実施することの2つを重点目標とした。上記調査研究を実施するため、メンバー全体の研究会を3回、セミナー・研究評価・資格認証評価等の打ち合わせ会議を4回行った。 薬物依存症からの回復プログラムの担い手養成のためのパイロットセミナーを2009年7月(京都市)、同年11月(川口市)、2010年2月(京都市)で開催し、薬物依存症者回復支援養成研修の基本型を構築することができた。すべて3日間を通して行われ、それぞれ延べ70名程度、合計200名を超える参加者があった。全日程参加した受講者には修了証を交付した。薬物依存症回復プログラムにおける「効果」とは何か、「効果」をどのように評価すべきか、など、今後の課題も明らかとなった。他方で、パイロットセミナーの開催によって、多様な立場、職場の人たちが「薬物依存症からの回復」という目標に向けて、「つながり」相互の能力を「ひきだす」ということの重要さを確認することができた。2010年度からは、回復者とその援助者のフォーラムとしての役割を果たし、あるべき人材育成プログラムの構築を目指していきたい。 先進的なプログラム開発に関しては、ドイツのフランクフルトの薬物依存治療施設を調査した。国内においては、奈良ダルクと共催でアメリカの「RDPプログラム」のワークショップおよび講演会を開催し、12ステップの詳細を紹介した。 教材開発としては、上記パイロットセミナーにおいて講師のレジュメのほかおよび研究チームの論文を配布した。視覚資料として、(株)PHP社の協力を得て、セミナーの模様をDVDとして教材化した。 本調査研究では、日本版ドラッグ・コート構想を実現するためのアクションプランを構築し、新たな一歩を踏み出すことを目的としている。引き続き、モデル処遇プログラムの開発、RC・RFの育成と資格化、処遇評価システムの構築などを進めていきたいと考えている。
|
Research Products
(4 results)