2009 Fiscal Year Annual Research Report
公正使用の法理に関する総合的研究―著作権の侵害主体の観点から
Project/Area Number |
21330022
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
潮海 久雄 University of Tsukuba, 大学院・ビジネス科学研究科, 教授 (80304567)
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Keywords | 著作権の侵害主体 / 特許間接侵害 / 公正使用 / 著作権の制限規定 / 不法行為 / Google Book Search |
Research Abstract |
著作権の侵害主体と対比させる意味で、特許権の間接侵害について、ドイツ、アメリカ、わが国の比較法的考察を行い、かつ、有体物と離れたソフトウェアにおける間接侵害の問題点を包括的に分析し、「間接侵害」専門訴訟講座(民事法研究会)を脱稿した。2009年度内に刊行予定であったが、他の執筆者の遅れから未刊行である。 直近の論文「サーチエンジンにおける著作権侵害主体・フェアユースの法理の変容-noticeおよびGoogle Book Search Projectにおけるopt-out制度を中心に」筑波法政46号21-57頁(2009年2月)で検討した、Google Book Search Projectのその後の動向を調査した。アメリカを中心とする英語圏以外で著作権者の大きな反発をもたらしたものの、その理念の正しさは各国とも理解されているようであり、欧州では異なる形で同様のプロジェクトが開始されている。ドイツなどの大陸法国においても、著作権の財産権としての考えが見直され、著作権の制限の一般規定(公正使用の法理)に関する議論がおいても盛んになっていることが判明した。 Time-shiftingおよびspace-shifting目的の録音録画機器の提供者の侵害主体性についてわが国の裁判例の立場が分かれているが、アメリカ法の比較調査研究を行なった。また、ドイツ法において、著作権以外の他の不法行為における侵害主体との比較調査研究をおこない、一定の知見を得た。
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