2011 Fiscal Year Annual Research Report
医薬品の研究開発インセンティブと効能・安全性(質)の基準
Project/Area Number |
21330024
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
山根 裕子 帝京大学, 法学部, 教授 (70200772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永野 博 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (80463967)
川上 浩司 京都大学, 医学研究科, 教授 (70422318)
池田 正行 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (10242215)
石丸 昌平 政策研究大学院大学, 政策研究科, 准教授 (10612715)
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Keywords | 特許存続期間延長制度 / 薬剤疫学 / 研究者主導臨床試験 / ドラッグ・ラグ / 薬剤の適正使用 |
Research Abstract |
山根と石丸は、医薬品及びバイオ分野における特許の研究開発上の役割について実証的な研究をし、とくに日本及びヨーロッパ諸国における制度の比較検討をした。日本及びEUにおいては医薬品特許の存続期間の延長に関わる訴訟が数多くあり、日本では審査基準も改訂された。この際、日欧米の医薬品特許延長制度(延長対象、最長延長期間、延長された特許の効力、1つの特許の延長回数等)について比較し、イノベーションに及ぼす影響について検討した。2012年1月プラバスタチンの知財高裁判決についても、「プロダクト・バイ・プロセス」クレームの解釈が実務に与える影響について検討した。 川上は、レギュラトリーサイエンスの観点から、医薬品の安全性の評価基準と製造販売承認について、各種の薬剤の事例を用いての薬剤疫学研究、適正使用、市場割合などについて各種データベースを用いた研究を行い、成果を得た。また、価格政策のイノベーション・インパクトについて、比較効用分析やvalue-based pricingの国際動向を研究し、臨床試験の計画についての知見を得た。 池田は、従来明らかでなかった診療分野別のドラッグ・ラグ(承認医薬品の内外差)を検討し、診療分野により、ドラッグ・ラグは大きく異なり、特に中枢神経系疾患治療薬やワクチン領域で著明であることを明らかにした.また,計画的な臨床試験が極めて困難な,CBRN(chemical,biological,radiological,nuclear)agentsによる障害治療薬の承認審査上、FDAのAnimal Ruleの如く、確立した動物モデルでの有効性を読み込む必要があること、緊急事態下でのGCPのあり方などを整備しておく必要性を指摘した。永野は、研究者主導臨床試験におけるデータの信頼性を確保すべきであるとの議論が強くあるところから、非商業的臨床試験における国際協力を推進する際に求められてくる"リスクに基づく分類による臨床試験"に関するOECDでの議論に参画し報告をとりまとめた。
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Research Products
(9 results)