2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21330035
|
Research Institution | Tsuda College |
Principal Investigator |
網谷 龍介 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (40251433)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 武 専修大学, 法学部, 准教授 (70302784)
中田 瑞穂 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (70386506)
吉田 徹 北海道大学, 法学研究科, 准教授 (60431300)
空井 護 北海道大学, 大学院・公共政策学連携研究部, 教授 (10242067)
渡辺 博明 大阪府立大学, 人間社会科学部, 教授 (20308810)
|
Keywords | 政党システム / 競合構造 / 半大統領制 / ヨーロッパ統合 / 有権者意識 / 大衆政党 |
Research Abstract |
研究の最終年度に当たる2011年度は一年を通じて,最終的な成果発表のための作業を行った. 大まかなスケジュールは前年度に調整済みであったため,11,12,1月の三回に分けて,研究代表・分担者および連携研究者の9名が,各々の担当する章についての構想を報告し,検討するとともに同時に,全体の枠組や構成をさらにリファインする作業を行った. 検討の中においては,以下の点が明らかになった. (1)日本・ヨーロッパの政党変容を考える上では,大衆政党モデルから,包括政党.さらにはカルテル政党へという,リニアな衰退イメージには大きな問題がある.このイメージでは,1960年代以降の社会運動の盛り上がりをうけた,日本や西ドイツに見られる「再組織化」のモメントを捉えられない. (2)イタリアやスウェーデンなど,社会的亀裂を背景とした多数の政党が存在する国においては,そもそも大衆組織政党の衰退,というイメージ自体に留保が必要である. (3)「競合」を中心としたデモクラシーという教科書的理解も再考を要する.現実に存在していた西欧デモクラシーにおいて,政党相互の競合という認識は必ずしも強くはなく,むしろ,「支持基盤の動員」が最大の関心事であった時期がかなりの期間存在する.
|
Research Products
(17 results)